双直交系

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数学において、双対性(双線型形式 ⟨,⟩)を持つ位相線型空間 E, F に関する双直交系(そうちょっこうけい、: biorthogonal system; 二重直交系)とは、

を満たす(I は適当な添字集合で、δ はクロネッカーのデルタ)ベクトルのの対 ({viE}, {uiF}) を言う。E = F かつ vi = ui (∀iI) なるときの双直交系は、すなわち正規直交系である。

において、函数族 および は二重直交系を構成する。その他の例として、行列の、固有値によって添字付けられる左固有ベクトルの集合と右固有ベクトルの集合の対は双直交系である[要出典]

射影[編集]

二重直交系に関して、射影

が得られる。この射影の像は 線型包であり、その である。

必ずしも双直交でないベクトルの集合の対 および が与えられたとき、それに関する射影は

で与えられる。ここで は成分が であるような行列である。

  • このとき、 および は双直交系を成す。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Jean Dieudonné, On biorthogonal systems Michigan Math. J. 2 (1953), no. 1, 7–20 [1]