人間喜劇

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Balzac1901.jpg

人間喜劇』(にんげんきげき、La Comédie humaine)は、フランス文学者オノレ・ド・バルザックの作品群の総称。

経緯[編集]

『人間喜劇』の構想は、バルザックによって1842年に初めて発表された。構想自体は1830年代ごろからあったらしい。1834年に彼はその著作全体を、「19世紀風俗研究」、「哲学的研究」、「分析的研究」に分けて体系化することを考え始め、そして同年に執筆を開始した『ゴリオ爺さん』において、後述する「人物再登場法」を用い始めている。その後、1846年には『エポック』の当初の構想に変更を加え、執筆予定作品を含めた『人間喜劇』の総体系を発表した。しかし、1850年にバルザックが死去したことで結局、『人間喜劇』を終結させることはできず、執筆予定作品も50作品余りが残った。

特徴[編集]

『人間喜劇』に属する作品は、「Aの作品の脇役がBの作品の主人公になる」といった人物再登場法と呼ばれる手法を用いて、相互に関係づけられている。それによって、あらゆる階層、あらゆる人間を描いて19世紀のフランス社会を壮大に映し出している。作品は細かく分類・整理されており、具体的には風俗研究・哲学的研究・分析的研究の3つに分類されている。

人間喜劇の一覧と登場人物[編集]

1842年当時の体系に従って分類した

風俗研究[編集]

私生活風景[編集]

地方生活風景[編集]

パリ生活風景[編集]

  • 十三人組物語(Histoire des Treize)
  • セザール・ビロトー(Histoire de la grandeur et de la décadence de César Birotteau)
  • ニュシンゲン銀行(La Maison Nucingen)
  • 娼婦盛衰記(Splendeurs et misères des courtisanes)
  • カディニャン公妃の秘密(Les Secrets de la princesse de Cadignan)
  • ファチーノ・カーネ(Facino Cane)
  • サラジーヌ(Sarrasine)
  • ピエール・グラスー(Pierre Grassou)
  • 従妹ベット(La Cousine Bette)
    • リズベット・フィッシェル(従妹ベット)=40歳を過ぎた未婚の老譲で醜女。従妹で美人のアドリーヌ・ユロに激しい嫉妬心をもち、ベッドが保護していた年下の彫刻家ヴェンツェスラス・シタインボックがアドリーヌの娘オルタンスと結婚してしまったことをきっかけにユロ家に対する復讐の鬼と化した。
    • エクトル・ユロ男爵=女遊びに財産を蕩尽してしまい、貞淑で信仰心の厚い妻のアドリーヌ、謹厳な兄のユロ将軍、実直な弁護士である息子のヴィクトランなどに測り知れない災厄をもたらした。遊び相手の女は女優のジェニー・カディーヌやジョゼファ・ミラー、人妻のヴァレリー・マルネフ、破産した後もオランプ・ビジョー、エロディ、アタラ・ジュディチなどにうつつを抜かし続けた。
    • セレスタン・クルヴェル=香料商人から成り上がりパリ区長となった男。娘のセレスティーヌ・クルヴェルはエクトール・ユロの息子ヴィクトランの妻であるが、自分の愛人ジョゼファ・ミラーをエクトル・ユロに奪われたことに恨みをもち、ユロの妻アドリーヌを誘惑しようとしたり、人妻のヴァレリー・マルネフをエクトル・ユロと競い合ったりした。
    • ヴァレリー・マルネフ=小役人マルネフの妻。夫の出世の見返りにエクトール・ユロの愛人となったが、他にもセレスタン・クルヴェル、ヴェンツェスラス・シタインボックなどを愛人として手玉に取った。従妹ベットと共謀してユロ家に対する復讐に加担した。ユロ家の破綻を防ごうとしたヴィクトラン・ユロが密かに雇ったヌーリッソン婆さんの手で毒を盛られて悲惨な最後を遂げた。
  • 従兄ポンス(Le Cousin Pons)
  • 実業家(Un homme d'affaires)
  • ボエームの王(Un prince de la bohème)
  • ゴディサール二世(Gaudissart II)
  • 平役人(Les Employés ou la Femme supérieure)
  • そうとは知らぬ喜劇役者たち(Les Comédiens sans le savoir)
  • プチ・ブルジョア(Les Petits Bourgeois)
  • 現代史の裏面(L'Envers de l'histoire contemporaine)

政治生活風景[編集]

軍隊生活風景[編集]

田園生活風景[編集]

哲学的研究[編集]

分析的研究[編集]

関連項目[編集]