ロールシャッハ・テスト
ロールシャッハ・テスト(英: Rorschach test, Rorschach inkblot test)は、投影法に分類される性格検査の代表的な方法のひとつである。被験者にインクのしみを見せ、それから何を想像するかによって人格を分析しようとしたもの。スイスの精神科医ヘルマン・ロールシャッハによって1921年に考案された。ロールシャッハ法、ロールシャッハ検査、ロールシャッハ検査法などとも呼ばれる。
[編集] 概要
テストには、紙の上にインクを落とし、それを2つ折りにして広げることにより作成されたほぼ左右対称の図版を持つカード(ロールシャッハ・カード)が用いられる。このような図版は原理的には簡単に作成できるものであるが、現在でもロールシャッハによって作成されたものが用いられている。カードは10枚1組で、無彩色のカードと有彩色のカードがそれぞれ5枚ずつ含まれる。各カードは約17cm x 24cmの大きさを持つ。
テストは、被験者にカードを1枚ずつ示し、まず、カードのしみが何に見えるのかを自由に回答させ(自由反応段階)、次に質疑を行って、どこにどのように見えたかなどを聴取する(質疑段階)。この課程で、反応時間、カードの向き、反応内容(何に見えたか)、反応領域(どこが見えたか)、決定因(どのような特徴から見えたのか)が記録される。
投影法一般について言えることではあるが、ロールシャッハ・テストは、被験者にとって、どのように反応するとどのように分析されるかが分かりにくいため、回答を意識的に操作する反応歪曲が起きにくく、無意識な心理の分析が可能であるとされる。また、回答結果の分析に高度な技術を要する点が短所とされるが、ロールシャッハ・テストは1920年代に開発されて以来、長年にわたって広く用いられており、テストへの反応と分析のデータベース化が進んでいるため、統計的な評価もある程度可能になっている。
しかしロールシャッハテストは、MMPIやMINIなどと比べて妥当性・信頼性が低く、1回のテストに分析を含めて長い時間を要する効率の悪さから、その有用性に疑問が持たれている。たとえば、ウッド・ネゾースキ・リリエンフェルト・ガーブ (2006)[1] の日本語版の序文にも、「いずれにせよ,私たちは日本の心理学者が証拠を注意深く検討してくれることを願っている.私たちはみな科学的進歩の幅広い道を進むことをやめることはない.臨床心理学と精神医学が着実に発展している現在,85歳のロールシャッハテストが,心の専門家に新しい答や価値ある情報をもたらすことはないだろう.」とある。
このような状況にあっても、臨床心理士の資格認定には依然としてロールシャッハの学習が必須とされており、臨床心理士の養成校である1種・2種指定校でも、ロールシャッハ検査の授業がなくなることはない。それだけでなく、資格試験には毎年多くの問題が出題されている。[2]
[編集] 関連項目
- 性格検査
- ヘルマン・ロールシャッハ
- ウォッチメン ウォッチメンの登場人物に、ロールシャッハというダークヒーローがいる。顔がロールシャッハテストの一部で、ランダムで模様が動く。
- アルジャーノンに花束を 主人公のチャーリイ・ゴードンが、物語中でロール・シャッハテストを受けている。
- アポロの歌 主人公の近石昭吾が、物語中でロール・シャッハテストを受けている。
- 村上宣寛 - 著書「心理テストはウソでした」で、ロールシャッハ・テストは根拠がないと論じている。