ボロボロノキ

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ボロボロノキ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ビャクダン目 Santalales
: ボロボロノキ科 Schoepfiaceae
: ボロボロノキ属 Schoepfia
: ボロボロノキ S. jasminodora
学名
Schoepfia jasminodora Siebold et Zucc. (1846)[1]

ボロボロノキ学名: Schoepfia jasminodora)は、ボロボロノキ科ボロボロノキ属落葉小高木である。和名の由来は、枝がもろく折れやすいことからこの名があるといわれ[2][3]、日本の植物学の父、牧野富太郎の説では「材がボロボロと折れやすいからであろう」としている[4]中国名は青皮木[1]

日本九州沖縄(琉球)と、中国亜熱帯に分布する[2][5][4]。低地[5]、あるいは山地に生える[3]。ボロボロノキ科の中で、日本にはボロボロノキ1種のみが分布する[2]

落葉広葉樹小高木(夏緑高木)で、樹高は2 - 10メートル (m) になる[2][5][3]。枝は屈曲が多く、節部がやや肥大する[2]。若い枝は紫色を帯び、2年目から黄灰色に変わる[4]。新枝の多くは勢いのあるものを除いて、落葉とともに冬に脱落する[2][4]互生[2]葉身は長さ4 - 6センチメートル (cm) の長楕円形。

花期は春(3 - 4月)[4]雌雄異株[3]は芳香があり、一年枝の葉脇から長さ3 - 5 cmの穂状花序を出して3 - 5花をつけ、花穂の下部に雌花がつく[2][4]。花は淡黄白色の筒状の小花で、花被の先が4裂して反り返る[2][3]。自然状態では、花序はやや垂れ下がる[4]果実核果で、核の数は1個[6]。核の長さは8ミリメートル (mm) 、幅6 mmほどの広楕円体や楕円体、淡褐白色で光沢はなく、葉脈状に4 - 5本の浅い縦溝模様が並ぶ[6]

ベニツチカメムシが果実の汁を吸って、近くに集団をつくって産卵し、子育てをする[3]

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 中山至大、井之口希秀、南谷忠志『日本植物種子図鑑』東北大学出版会(仙台)、2002年2月25日。ISBN 4-925085-29-8 
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、239頁。ISBN 4-522-21557-6 
  • 掘田満ほか 編『世界有用植物事典』平凡社、1989年8月25日。ISBN 4-582-11505-5 
  • 宮脇昭ほか 編『日本植生便覧 改訂新版』至文堂、1994年10月10日。ISBN 9784784301478 
  • 邑田仁・米倉浩司 編『APG原色牧野植物大図鑑II 〔グミ科~セリ科〕』北隆館、2013年3月25日、259頁。ISBN 978-4-8326-0974-7