フリッカー

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フリッカーflickerフリッカ)は、蛍光灯ブラウン管を用いたディスプレイに生じる細かいちらつき現象のことである。原義は「明滅」「ゆらぎ」である。ディスプレイの書き換え頻度であるリフレッシュレートが低く、人間の目でその点滅を認識できるようになるという現象である。フリッカーの生じているディスプレイを長時間使っていると、疲労めまい吐き気などにつながる。

ディスプレイのフリッカー[編集]

原因[編集]

ブラウン管は、画面の上端から下端まで走査線を動かし、順次映像を書き換えることで表示を行っている。画面全体を書き換える頻度のことをリフレッシュレート(垂直同期周波数)という。たとえばリフレッシュレートが70Hzであるというのは、画面が1秒間に70回書き換えられているということを意味する。画面がなめらかに動いて見えるのは、この書き換えが人間の目で認識できないほどの高頻度で行われているからであるが、この頻度が低下すると、画面の各点がちかちかと点滅しているのが人間の目にもわかるようになる。これがフリッカーと呼ばれる現象である。

ディスプレイには表示能力があり、同じディスプレイでも解像度を高くして利用すると、一回の画面書き換えに必要な時間も長くなる。すると高いリフレッシュレートが得られず、フリッカーを生じる場合がある。

小刻みにちらつく画面を長時間見続けていると、利用者は目の疲れ・めまい・吐き気などの症状を起こすことがあり、健康上好ましくないものである。

なお、液晶ディスプレイの表示方法では、フリッカーはほとんど発生しないが、冷陰極管LEDなどをバックライトとして使用していることに由来するフリッカーが、人間の目ではほとんど感知できないレベルで発生している。液晶ディスプレイはバックライトの明滅で輝度を調整しているため、特にバックライトの明滅が大きくなる低輝度の状態でフリッカーが激しくなる。またLEDは冷陰極管と比べて残光時間が短いためにフリッカーが激しくなり、人によっては肉眼ではっきりと感知できる人もいる。肉眼ではっきりと感知できなくても、長時間ディスプレイを見続けることで無意識に感知され、疲れ目などの原因になる。ちなみにバックライトの寿命が来てもフリッカーが発生する。

肉眼で感知できないレベルのフリッカーは、携帯のカメラ越しに見る、ディスプレイの前に扇風機を設置するなどすると干渉縞として確認できる。

防止[編集]

フリッカーを防ぐ方法としては、低すぎるリフレッシュレートを一定以上(大体70Hz以上で、フリッカーは感じられなくなるといわれる)に調整することである。ただし、解像度や同時発色数を上げることと、高いリフレッシュレートを得ることは両立しない。

「フリッカーフリー」を謳うディスプレイは、一定以下の解像度で使う限り垂直同期周波数72Hz以上(この数値はまちまちで、75Hz以上を目標とする場合もある)が得られ、フリッカーが目立たない能力をもったもののことである。残光時間が長めになるようにしても、フリッカーは抑えられる。

液晶ディスプレイのバックライトのフリッカーは、調光をPWM調光ではなくDC調光にすることで押さえられる。バックライトの輝度を常に最大にすることでも防げるが、明るすぎて逆に疲れるので現実的ではない。

蛍光灯のフリッカー[編集]

蛍光灯も、ちかちかとちらつくフリッカー現象を起こす。通常、蛍光灯は電源の2倍、すなわち50Hzの電源を使うならば100Hz、60Hzの電源を使うならば120Hzで点滅を繰り返している。この頻度は、人間の目で感知できないほど大きなものである。しかし、蛍光灯の寿命が近づき、一度の点滅の残光時間が短くなると、点滅の感覚が目立つようになってフリッカーとして認識されるようになる。

LED照明器具のフリッカー[編集]

LED照明器具にも、フリッカーを起こすものがある。 交流の商用電源をブリッジダイオードなどで整流したのみの電源(全波整流電源)か、もしくは、それをコンデンサなどで簡易的に平滑したのみの電源(脈流電源)をLEDに加えることによってフリッカが発生する。交流電源をAC-DCコンバータ(スイッチングレギュレータなど)を用いて脈流の極めて少ない直流電源に変換してLEDに加えた場合、意図的に点滅をさせるようにしない限り、フリッカは発生しない。

関連項目[編集]