ビートル・ベイリー

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ビートル・ベイリー(Beetle Bailey)は、アメリカ合衆国漫画家モート・ウォーカーによるコミック・ストリップ、カートゥーン作品、およびその代表的な登場キャラクターの架空の人物である。この漫画は1950年9月4日から平日と日曜日に刊行されている[1]。モート・ウォーカーは、数年をかけてジェリー・デュマス、ボブ・グスタフソン、フランク・ジョンソン、そして息子のニールとブライアンとグレッグ・ウォーカーに手伝って貰っていたが、ウォーカーは2018年に死去。その後もストリップの刊行は続いている[2]

主人公[編集]

ビートル・ベイリーは元々、ロック・ビュー大学の大学生だった。 1951年3月13日には大学を中退し、アメリカ陸軍に入隊。

ビートル・ベイリーが着用している制服は、1940年代後半から1970年代前半までに使われた陸軍の制服のままで、緑色の作業着と野球帽が特徴。 シュノーケル軍曹は、トップが扱うような軍服を装着し、しわ寄りのギャリソン・キャップを被っている。 警備員は、記章がついたM1ヘルメットライナーをかぶっている。

時代錯誤ではあるが、現代で使われている武器や装備は一切登場しない。

ベイリーは中隊に所属しているが、面白いギャグの中には、大砲や陸軍に所属する各部隊の人物などにみられる。

キャラクター[編集]

ビートル・ベイリー
ぐうたらな二等兵、とても反抗的で怠けている。
オービル・P・シュノーケル
ベイリー担当の軍曹、通称はサージ (Sarge)。ベイリーに言い訳されてカッとなって殴ってしまう。
エイモス・ハーフトラック
キャンプ・スワンピーの将軍。お酒をいつも飲んでいて、ゴルフが大好き。

アニメーション[編集]

短編アニメ[編集]

キング・フィーチャーズ・シンジケートが制作した6分間の短編アニメーションで、ストリップ漫画にある50本のエピソードをアニメ化したものである。

アメリカでは1963年8月26日[3]からThe King Features Trilogyの一部として初放送[4]、全50話まで放送された。[5]

このアニメのオープニングでは、主題歌が流れる前にラッパで奏でる「Reveille」が挿入されている。

日本では「新兵ベイリー」というタイトルで、1960年代から1990年代にかけて東京12チャンネル(現:テレビ東京)のマンガのくに番組販売などを通じて放送された。キッズステーションでも放送されたことがある。主題歌は英語だった。

「The Jinx(邦題不明)」という回に登場するお菓子「フォーチュンクッキー」は、日本語吹き替え版では「おみくじクッキー」と呼んでいたことがある。

キャスト[編集]

新兵ベイリー(ビートル・ベイリー)
声 - ハワード・モリス小宮山清
名称不明(シュノーケル軍曹)
声 - アラン・メルヴィン(不明)
ハーフトラック将軍
声 - ハワード・モリス(不明)
名称不明(フォーブス中尉)
声 - スティーブ・フランケン(不明)
名称不明(バニー)
声 - ジューン・フォーレイ(不明)

スタッフ[編集]

  • 監督 - ジョフ・パイプ
  • 製作 - キング・フィーチャーズ・シンジケート

短編作品リスト[編集]

サブタイトル 原題
Home Sweet Swampy
Hero's Reward
Et Tu Otto
Psychological Testing
A Tree Is a Tree Is a Tree
Beetle's High Horps
Labor Shortage
Don't Fiddle with the Brass
The Sergeant's Master
The Bull of the Ball
60-Count 'em-60!
Grab Your Socks
The Blue Ribbon
Go Yeast, Young Man
We Love You, Sergeant Snorkle
Is This Drip Necessary
A Christmas Tale
For Officers Only
Bye Bye Young Lovers
A Pass Is a Pass Is a Pass
Leap No More My Lady
Tatoo-Tootsie Goodbye
Welsh Rabbit
Cosmo's Naught
Camp Invisible
'V' for Visitors
Shutterbugged
Little Pooch Lost
Halftrack's Navy
Don't Give Up the Swamp
Hoss Laffs
The Red Carpet Treatment
Lucky Beetle
Sweet Sunday
Operation Butler
Bridge on the River 'Y'
The Secret Weapon
The Diet
The Heir
Breaking the Leash
The Spy
The Jinx
中国のレストランでおみくじクッキーを注文するベイリーと3人の軍人たち。しかし、おみくじクッキーは最後の1枚となってしまった。それをベイリーが食べると、「ビートルにご注意、不幸は必ず起こります」という紙が出る。仲間たちはベイリーのことだと勘違いし、レストランから逃げる。その後も皆に逃げられ、ベイリーはもう一度レストランに行っておみくじクッキーと交換してもらうが、クッキーを運ぶ店員が足元を見ずに転んでしまい、ベイリーを見た軍曹たちは慌てて逃げてしまう。
Courage Encourager
人間や動物を不良に変えるマシンの発明に成功した科学者は、これをキャンプ・スワンピーにいる将軍に届ける。しかし、ベイリーたちが不良になって大変なことに。
Sgt. Snorkle's Longest Day
Everything's Ducky
The Play's the Thing
今日はザザ・バブーン主演の舞台が開かれる日。彼女のファンであるベイリーは、舞台の男性スタッフからザザとの共演を受け入れる。
Geronimo
Son of a Gun of a Gun
Zero's Dizzy Double Date
Dr. Jekyl and Beetle Bailey

スペシャル[編集]

モート・ウォーカーとハンク・サローヤンが共同で製作されたアメリカ合衆国のアニメスペシャル。

1989年にCBSの放送に向けて制作されたが、CBSネットワークの経営陣が変わったことを理由に放送されなかった。[6]

2003年、1960年代版と共にDVDで発売された。日本では公開されていない。

キャスト[編集]

ビートル・ベイリー
声 - グレッグ・ウォーレン
キラー
声 - ボブ・バーゲン
シュノーケル軍曹
声 - ヘンリー・コーデン
ハーフトラック将軍
声 - ラリー・ストーチ
ゼロ
声 - フランク・ウェルカー
オットー
声 - フランク・ウェルカー
ミス・バックスリー
声 - リンダ・ゲイリー
ミス・ブリップス
声 - リンダ・ゲイリー

コミック[編集]

本国版[編集]

日本語訳版[編集]

1971年版
根本畏三による邦訳、1971年に鶴書房・ツル・コミックから全10巻が発売された。
  • 陽気なビートル二等兵(The most Naive G.I. Beetle)
  • ずっこけ大演習(Darn Grand Maneuver)
  • ダマレ!アンパン軍曹(Shut Up! Secure Fat Jerk)
  • ハレンチ部隊(The Sillest Camp Swampy)
  • 気楽な独グダレン隊(Easy stupid Company)
  • 号令一下ガールハント(Attention! Get at baby!!)
  • 進級ストップ作戦(Never Promite Your Stupid Men)
  • ビートルの大反撃(Put, Battle's Alrong Conterattack)
  • メロメロ ピンク騒動(Get Mixed up! DIrty affairs!!)
  • もてもて、キャンプNo.1(Most groovy G.I.)
2004年版
伊藤武志による邦訳本、2004年12月1日より文芸社から発売された。
  • ぐうたら二等兵 ビートル・ベイリー[7]

脚注[編集]

  1. ^ Walker, Mort (2008). Thorsjö, Alf. ed. Beetle Bailey 1950–1952. Egmont Kärnan AB/Checker Book Publishing Group. p. 6. ISBN 978-1-933160-71-9. OCLC 191244495 
  2. ^ Colton, David (2010年5月26日). “'Beetle Bailey' marches on, with artist Mort Walker leading”. USA Today. オリジナルの2010年5月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100530043117/http://www.usatoday.com/life/comics/2010-05-27-Beetle27_ST_N.htm 2010年6月19日閲覧。 
  3. ^ IMDB
  4. ^ Erickson, Hal (2005). Television Cartoon Shows: An Illustrated Encyclopedia, 1949 Through 2003 (2nd ed.). McFarland & Co. pp. 476–477. ISBN 978-1476665993 
  5. ^ Crump, William D. (2019). Happy Holidays—Animated! A Worldwide Encyclopedia of Christmas, Hanukkah, Kwanzaa and New Year's Cartoons on Television and Film. McFarland & Co. p. 66. ISBN 9781476672939 
  6. ^ Beetle Bailey TV Cartoons – Part 3”. 2016年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月25日閲覧。
  7. ^ 『ぐうたら二等兵 ビートル・ベイリー』文芸社、2004年12月1日。ISBN 978-4835575162 

外部リンク[編集]