ビクトリノックス
| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | シュヴィーツ州 |
| 設立 | 1884年 |
| 関係する人物 | カール・エルズナー |
| 外部リンク | http://www.victorinox.com/ |
ビクトリノックス(Victorinox )は、スイスに本拠地を置きアーミーナイフの納入業者として知られているナイフメーカーである。社名は創業者カール・エルズナーの母親の名「ビクトリア」と、フランス語でステンレス鋼を表す略語「イノックス」の組み合わせ。2005年に同じくスイス陸軍にアーミーナイフを納入していたウェンガーを合併した(後述)。
目次 |
歴史 [編集]
ビクトリノックス [編集]
ビクトリノックスは1884年、スイスのイーバッハで帽子職人の四男であったカールが開いた工房がはじまりである。カールは1860年生まれで、手に職をつけるためドイツやフランスで鍛冶職人としての修行を積んだ人物であった。
カールの工房が飛躍するきっかけとなったのは、1891年にスイス陸軍に納入したツールナイフである。この製品は高く評価され、スイス陸軍は制式装備品のナイフの納入業者をドイツのゾーリンゲンの業者からカールの工房に変更することとなった。
現在も同社のツールナイフの基本形となっている「オフィサー」が開発されたのはそれからしばらく後のことで、1897年に特許を取得している。その後類似品が数多く出回るようになったため1909年ハンドル部分にスイスの国章である白十字を入れるようになった。
2005年4月25日にウェンガーを買収、製造元は一社となったが「ウェンガー」ブランドは継続すると発表されている。
ウェンガー [編集]
ウェンガー(w:Wenger )は、スイスアーミーナイフのもう一つの供給会社であった。1893年、スイス・ジュラ地方に移住した手工業者四人が開いた工房「ザ・カトラリー・ワークス」がその前身とされる。その後財政難に陥った同社を牧師であった“テオ”セオドル・ウェンガーが再建し、彼の姓を社名として、ウェンガーが設立された。1901年にはビクトリノックスと同じくスイス陸軍にソルジャーナイフが採用され、以降ビクトリノックスとウェンガーは半数ずつソルジャーナイフを納入するようになる(二つの社から同じ種類の物を仕入れるのは需品納入に当たっての汚職を防ぐためによく採られる発注法である)。販売の減少から業績不振に陥り2005年4月25日にビクトリノックスに吸収合併されたがブランドとして存続している。
製品 [編集]
スイスアーミーナイフ [編集]
スイス陸軍が正式採用している、日用的な用途に使用するための多機能折り畳みナイフが「ソルジャー」である。また「ソルジャー」を発展させたモデルとして「オフィサー」シリーズがある。
製品によっては方位磁針やポケットライト、時計、USBメモリ、気圧計、MP3プレイヤーなどを搭載したものもある。
スイスツール [編集]
スイスツールはニードルノーズ・プライヤーを主体にした折り畳み式マルチツール。
キッチンウェア [編集]
創業の頃から、家庭用及びプロ用としてキッチン用の包丁を販売している。またその派生として、ワインオープナーなどのキッチン小物も販売している。
ブランドの拡張 [編集]
ナイフの他、航空機への持込みを考慮しブレードを廃した「フライト」、腕時計やスーツケースやバッグなども生産しており、刃物メーカーからアウトドアグッズメーカーへと変化しつつある。
ビクトリノックスとウェンガーの違い [編集]
基本的な機能やデザインは似通っているが、いくつかの違いがある。
- ハンドルの長さ
- ミドルサイズの製品のハンドルの長さがビクトリノックス91mmに対し、ウェンガーは85mmとやや短い。ミニマムモデルはビクトリノックスが58mm、ウェンガーが61mmである。
- スイスクロスのデザイン
- ビクトリノックスが盾のような図形の中に十字マークを入れているのに対し、ウェンガーのマークはやや丸みをおびた正方形である。
- 缶切の方式
- ビクトリノックスのナイフに装備された缶切は、欧米で主流の押しながら切るタイプだが、ウェンガーの缶切は、日本で主流の引きながら切る方式である。ただしスイス陸軍に納入しているソルジャーナイフはどちらも押し切り式となっている。
- ハサミのスプリング
- 折り畳みナイフに収められたハサミは、指を放すと自動的に開くようにスプリングが装備されているが、このスプリングの形が違う。
- ビクトリノックスのハサミのスプリングは、薄い板の形のものを採用しており、一方ウェンガーのスプリングは、耐久性の高いソリッド・レバーを採用している。(しかし、ビクトリノックス製品でもスイスツールスピリットのみソリッド・レバー方式)
- ハサミの刃
- ビクトリノックスクラシックなどに装備されているハサミの刃は一般的なハサミと同じ片刃を合わせたものだが、ウェンガーのハサミの刃は片刃が波型になっており、ビクトリノックスに比べて厚い紙など、硬めの物も切れる。製品の大きさを比較しても僅かだがウェンガーの方が大きめである。
- ソルジャーナイフのキーリング
- 前述のように、両ブランドとも半数ずつスイス陸軍にナイフを納入している。このナイフにプリントされたスイスクロスのデザインはどちらとも違い、縦長の楕円の上半分を切って平たくしたような形となっている。このソルジャーナイフについているキーリングが両者で違う。
- ビクトリノックスのソルジャーナイフは二種類あり、スイス陸軍に納入しているそのままのモデルと、一般向けのモデルがある。陸軍モデルにはキーリングがついておらず、ハンドルのマークも前述のスイス陸軍のものだが、一般モデルにはスプリングタイプの小さなキーリングがついており、ハンドルのマークはビクトリノックスのものである。
- ウェンガーの市販ソルジャーナイフは、スイス陸軍仕様のモデル一種類だけである。こちらには、ビクトリノックスのものとは違い、大きなDリングがハンドルを貫く形で付いている。
- 左利き用モデルの存在
- 基本的に折り畳みナイフは右利きを前提に作られているが、ウェンガーの製品には数は少ないながら左利き用に使いやすくしたモデル「レフトハンダーズ」シリーズが存在し、左手を挙げ右手を下げた人の線画マークが入っている。