ヒエラー

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ヒエラー古希: Ἱέρα, Hierā)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してヒエラとも表記される。ミューシアの王テーレポスの妻で[1]、タルコーンとテュルセーノスの母[2]ピロストラトスはヒエラーについて、ヘレネーを越える美女であったと述べている[1][3]

神話[編集]

ピロストラトスによると、ギリシア軍がミューシアを攻撃した際、ヒエラーはミューシアの女たちで構成された騎馬隊を率いて戦ったが、ニーレウスに討たれた。しかしヒエラーが非常に美しい女性であったため、ギリシア軍は彼女の武具を剥ぎ取ることはしなかった。彼女を目撃したというプローテシラーオスによると、ヒエラーは彼が今まで見た女性の中で誰よりも大柄で美しい女性であり、ホメーロスはヘレネーの機嫌を取るためにヒエラーのことを言及しなかったという[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b c ピロストラトス『ヘーローイコス』23。
  2. ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.201a。
  3. ^ ピロストラトス『ヘーローイコス』24。

参考文献[編集]