トロキー

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トロキーtrochee or choree, choreus)は英語などに使われる韻脚。アクセントの強い音節の後にアクセントの弱い音節が続く。強弱格揚抑格と訳される。古典詩(古代ギリシャ語詩や古代ラテン語詩)ではトロカイオスギリシャ語τροχαῖος, trochaíos)と呼ばれ、母音の長い音節の後に母音の短い音節が続き、長短格と訳される。

トロキーの例[編集]

ヘンリー・ワーズワース・ロングフェローの『ハイアワサの歌』は、ところどころアイアンブ(弱強格)、スポンデー(強強格)、ピリック(弱弱格)などが代用されているものの、ほとんどがトロキーで書かれている。(太字は強勢、「|」は脚韻の区切り)

Should you | ask me, | whence these | stor-ies?
Whence these | leg-ends | and tra- | di-tions,
With the | od-ours | of the | for-est,
With the | dew and | damp of | mea-dows,

代用は、第2行の「and tra-」、第3行の「of the」、そして第3行と第4行の「With the」でいずれもピリックである。しかし、それでも全体を通してトロキーが韻律を支配している。


「ハイアワサの歌」という有名なケースを除くと、少なくとも英語詩ではトロキーを使った完全な例は稀である。次にあげるのは、エドガー・アラン・ポーの『大鴉』(en:The Raven)である。

Ah, dis-tinct-ly I re-mem-ber it was in the bleak De-cem-ber;
And each sep-arate dy-ing em-ber wrought its ghost up-on the floor.

その単純ゆえだろう、トロキーは童謡では一般的である。

Peter, Peter pumpkin-eater
Had a wife and couldn't keep her.
マザーグース『ピーター ピーター かぼちゃがだいすき(南瓜ずき)』(en:Peter Peter Pumpkin Eater))

また、より複雑にするため、もしくはシンコペーションのリズムにするために、2、3のトロキーを同一行の中でアイアンブの間にちりばめることもある。次の詩はウィリアム・ブレイクの『虎』(en:The Tyger)である。

Tyger, Tyger, burning bright
In the forests of the night

この2行はおおむねトロキーであるが、行の最後の音節が省かれ、1つの強勢音節で終わっているのは、strong rhymeか男性韻を踏むためである。対照的に、聞く者は直感的に同じ詩で後の行にある音節まで含めたとらえ方をするので、最初の弱勢の音節が省かれたアイアンブの行のように感じてしまう。

Did he smile his work to see?

これだけ見ると完全なトロキーだが、前後の行まで入れると次のようになる。

When the stars threw down their spears
And watered Heaven with their tears
Did he smile his work to see?
Did he who made the lamb make thee?

前後の行は完全にアイアンブになってしまっている。


ラテン語詩の、とくに中世の詩のトロキー韻律も有名である。中世ラテン語では最後の音節にアクセントが来ることは決してなかったので、トロキーにとって理想的な言語だった。レクイエム・ミサの『怒りの日』はその好例である。

Dies irae, dies illa
Solvet saeclum in favilla
Teste David cum Sybilla.

関連項目[編集]