チロル=フォアアールベルク帝国大管区

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チロル=フォアアールベルク帝国大管区
Reichsgau Tirol-Vorarlberg (ドイツ語)
チロル州
フォアアールベルク州
1938年 - 1945年 チロル州
フォアアールベルク
チロル=フォアアールベルク帝国大管区の国旗 チロル=フォアアールベルク帝国大管区の国章
(国旗) (国章)
国の標語: Ein Volk, ein Reich, ein Führer(ドイツ語)
一つの民族、一つの国家、一人の総統
国歌: Deutschlands Weltklasse(ドイツ語)
世界に冠たるドイツ

党歌: Die Fahne hoch(ドイツ語)
旗を高く掲げよ
チロル=フォアアールベルク帝国大管区の位置
ナチス・ドイツの地図
公用語 ドイツ語
首都 インスブルック
ガウライター
1938年 - 1945年 フランツ・ホーファー
人口
1939年330,892人
変遷
アンシュルス 1938年3月12日
ドイツの降伏1945年5月8日
現在 オーストリア
オストマルク帝国大管区群(1941年):帝国大管区、地方および都市部

チロル=フォアアールベルク帝国大管区ドイツ語: Reichsgau Tirol-Vorarlberg)は、1938年にアンシュルスによりドイツに併合されたオーストリアの領域にナチス・ドイツが置いた7つの帝国大管区の1つである。東チロルを除くチロル州フォアアールベルク州からなり、大管区都はインスブルックに置かれた。1939年に公布されたオストマルク法に基づいて設置され、1945年まで存続した。1939年から1942年まで、オーストリアの領域に置かれた7つの帝国大管区は総称してオストマルク帝国大管区群と呼ばれていたが、1942年にはさらにオーストリアの印象を薄めるべくドナウ=アルプス帝国大管区群に改称された。1940年の時点で、チロル=フォアアールベルク帝国大管区には10の管区(Kreis)、335の地区(Ortsgruppe)、813の細胞(Zell)、4,821の戸口(Block)が置かれていた。

オーストリア・ナチスドイツ語版は、1928年までと1932年以降、チロル=フォアアールベルク大管区を置いていた。1928年から1932年の間は、チロル州とフォアアールベルク州はザルツブルク州とともに西部大管区(Westgau)を構成していた。1932年にフランツ・ホーファーがインスブルック管区指導者、さらにはチロル大管区指導者に任命され、1933年にオーストリアでナチ党が非合法化された後も、1935年にエドムント・クリストフと交代するまでその座に留まった。クリストフは大管区指導者として1938年3月13日のアンシュルスを迎えたが、党中央からはクリストフは弱腰に過ぎると考えられていた[1]。このため、1938年5月24日にホーファーがチロル=フォアアールベルクの大管区指導者となった。ホーファーはインスブルックに新築された新庁舎(Neues Landhaus)に席を置き、ウィーンではなくミュンヘン全国指導者に服属した。州首相(Landhauptmann)に代わる州知事(Regierungspräsident)にはハンス=ラインハルト・コッホが就任した。1940年9月1日には、ホーファーがチロル=フォアアールベルク帝国大管区の国家代理官に任命され、1945年まで務めた。大管区指導者代理は1938年にはエドムント・クリストフ、1939年3月から1945年まではヘルベルト・パルゾンであった。

チロル=フォアアールベルク帝国大管区の範囲は、現在のチロル州北部とフォアアールベルク州にあたる[2]。東チロルは後にケルンテン帝国大管区に編入された。

フォアアールベルクには、以下の管区が置かれた。

  • ブレゲンツ管区:管区指導者ハンス・ディートリッヒ(1939年–1945年)
  • ドルンビルン管区:管区指導者アントン・プランケンシュタイナー(1939年–1941年)
  • ブルーデンツ管区:管区指導者ハンス・ベルナルト(1939年–1941年)およびヴェルンフリート・リヒター(1941年–1945年)

出典[編集]

  1. ^ Rolf Jehke (1 January 2005). "Gau Tirol-Vorarlberg der NSDAP". territorial.de. 2020年7月10日閲覧
  2. ^ Michael Rademacher: Deutsche Verwaltungsgeschichte von der Reichseinigung 1871 bis zur Wiedervereinigung 1990. tirol.html. (Online-Material zur Dissertation, Osnabrück 2006).

参考文献[編集]

  • Rolf Steininger, Sabine Pitscheider (Hrsg.): Tirol und Vorarlberg in der NS-Zeit. Studien Verlag, Innsbruck 2002, ISBN 3-7065-1634-9.
  • Horst Schreiber: Die Machtübernahme. Die Nationalsozialisten in Tirol 1938–39. Haymon, Innsbruck 1994, ISBN 3-85218-152-6.

外部リンク[編集]

  • Reichsgau Tirol-Vorarlberg. (pdf; 4,3 MB) In: Ostmark Jahrbuch. 1942, S. 258–276; abgerufen am 10. Juli 2020 (Findbuch NSDAP Reichsgau Tirol-Vorarlberg; wiedergegeben auf findbuch.at). 
  • Joachim Lilla: Übersicht der NSDAP-Gaue, der Gauleiter und der Stellvertretenden Gauleiter zwischen 1933 und 1945. In: zukunft-braucht-erinnerung.de. 25. Februar 2007; abgerufen am 10. Juli 2020.