シャトー・ラギオール

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シャトー・ラギオールChâteau Laguiole)は、フランスティエールで1850年創業と長い歴史を誇る、洋食器・刃物メーカーのSCIP社が1993年に作り始めたソムリエナイフ(ワインのコルク抜き)である。

ソムリエの世界チャンピオンで且つ刃物製作にも精通したGUY VIALIS(ギ―・ヴィアリス)がある日SCIP社を訪ね、いかにサービスするかを熟知した人間と、鍛冶のプロ(SCIP社前社長レオ・サナジェスト)が、ワインを開ける事を生業とした人々向けのいわゆるプロ向けの機能と、ラギオールナイフの美しい形の融合を模索した共同開発に始まる。数ヶ月の試行錯誤の結果、最初に完成したのが、ただのコークスクリュー用ではなく、ソムリエ用のナイフであった。このナイフを「Chateau LAGUIOLE」と名付けた。

3年に一度選ばれる「ソムリエ世界一」にデザインを依頼しており、商品のバラエティーが豊かである。そのためプロが用いるだけでなくコレクションもされている。

※正規輸入品には日本総輸入元・総販売元発行の3年間保証書が付いている(TASAKIスペシャルは1年間保証)。

特徴[編集]

ラギオールとは、フランス南部の山岳地帯にあり、ナイフとチーズで有名な小さな村の名前である。この村で作られる刃物がデザイン上からも実用上からも最も優れていたことに由来する。19世紀初頭、この村には農作業に使用する道具を作る鍛冶職人はいたものの刃物製造の産業は無かった為、19世紀末頃からは刃物文化の中心であるティエールという町でLAGUIOLEナイフは作られるようになった。その後、1985年前後、ラギオール村出身の人々が集まり、ラギオール村で自分たちのLAGUIOLEナイフを持とうという動きがあり、工場を共同で作り、それが成功すると他の会社もラギオール村に起業した。しかし、もともと鍛冶の町ではないので、全てのパーツ(刃やハンドルなど)をティエールから買ってラギオール村に建てた工場ではその組み立てのみを行っている。

Chateau LAGUIOLE(シャトーラギオール)の革命的な点は、それまで主流であった無機質で金物然としたイメージからワインサービスのプロであるソムリエ達が、コルクの栓を抜くという瞬間を「職人技」とし〝生きた瞬間〝を提供できうる「道具」にまで昇華させた点が挙げられる。

最も有用なスクリュー部分は丁寧に手作りされ、挿入しやすく、またハンドルも持ったときの感触が柔らかく、1日に何十本ものボトルを開けるソムリエも疲れず、指が痛くならずに使えるように作られている。コルク抜栓時にかかる薬指、小指等への荷重、手の平全体にかかる荷重を研究し尽くし、究極のエルゴノミクス(人間工学)デザインと、味のある天然素材(水牛の角・各種木材など)の融合から生まれるハンドルや硬度としなやかさを持ち合わせた耐久性は、歴代の世界ナンバーワンのソムリエ達に愛用されている事で証明されている。一つ一つの部品を吟味、工程の約80%を熟練職人によって仕上げられており、「選ばれしプロフェッショナルの象徴」と称えられているソムリエナイフである。

価格は2011年8月現在2~5万円くらいである。

世界ソムリエコンクール入賞者モデルはジェラール・バッセモデル、アンドレアス・ラッソンモデル、エンリコ・ベルナルドモデル、オリビエ・プシェモデル、エリック・ボーマールモデル、マルクス・デル・モネゴモデル、TASAKIスペシャルモデル、セルジュ・デュブモデル、ジョゼッぺ・ヴァッカリーニモデル、ヘンドリック・トマモデルの10種類ある。

似た名前の商品[編集]

シャトー・ラギオールの成功後、フランス国内で一般的なナイフなどを作っていた競合会社達が、こぞって自分たちのLaguiole風のソムリエナイフを作り始めた。現在数十社がLaguiole風のソムリエナイフを作っており、世界中の様々なマーケットで似たような商品を見ることができる。しかし、「プロ用の機能と、ライヨールナイフの美しい形の融合」のアイディアはSCIP社が先駆者である。ただし、Laguiole風の形という文化は誰のものでもないので、後発の商品も全く同じものを故意に作らない限りコピーとは言えない。

村名であるラギオール[1]Laguiole)は登録商標にはならないため、その後この名前を使ったソムリエナイフがいくつか発売されている。村のシンボルである「みつばちマーク」も意匠を変えて使っているメーカーがある。現在日本で売られているものには、

  • ライヨール・ナイフ
  • セパージュ・ラギュオール
  • オーブラック・ラギュオール

がある。

脚注[編集]

  1. ^ 標準語の発音でラギオールまたはラギュオール、地元で使われるオック語でラヨールまたはライヨール。