コピー打法

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コピー打法(コピーだほう)は、2001年夏頃に発覚したサミーを含む系列(ロデオアリストクラートなど)パチスロ機の設計上の不具合を突いた攻略打法。この打法による混乱を「サミー騒動」などとも呼ぶ。

概要[編集]

レバーを手前に引きながらゆっくり上に上げると、乱数による抽選を行わないままリールを回転させることができる。その結果、前ゲームの乱数がそのまま使われ、実質的に「前ゲームの成立フラグ」のコピーとなる[1]

獣王』では「純ハズレ」でアシストタイム(AT)の抽選をしていたため抽選確率が2倍になり、ATが「特定小役の成立」となっていた『ダブルチャレンジ』はAT自体をコピーできる。さらにはボーナスストック機能を持つ『ハードボイルド』ではボーナスをコピーできるなど、機械割が大幅に上昇することになった[1]

コピー打法が有効だとされた機種と主な効果 [1]
機種 効果
ディスクアップ 15枚役のコピーによるコイン持ち上昇
キャッツアイ 12枚役のコピーによるコイン持ち上昇
獣王 15枚役のコピーによるコイン持ち上昇、純ハズレのコピーによるAT突入期待度を上げる
インディージョーズ2 15枚役のコピーによるコイン持ち上昇とコイン[2]の獲得率アップ、AT突入期待度を上げる
キングオブファイア 15枚役のコピーによるコイン持ち上昇
ハードボイルド2 8枚役のコピーによるコイン持ち上昇、ボーナスバンクシステム(ストック機能)により成立ボーナスもコピーできた
ダブルチャレンジ 12枚役のコピーによるコイン持ち上昇、成立ATをコピーできた
ネコde小判 15枚役のコピーによるコイン持ち上昇、リプレイをコピーすることでAT突入期待度大幅UP

原因と対策[編集]

原因は基板の接触の甘さをメーカーが見逃したチェック不足によるものであった。

レバーをゆっくり下げると、電圧の差によりフラグ抽選の信号が出る前にリール回転の信号が先に出てしまう。十分に下げきる前にレバーを戻すと、リールが回転してもフラグ抽選をしない状態になるが、設計上前回のRAMに残っているフラグを参照するので、同一役が成立するのである。

対策として、ホールは島を閉鎖し、メーカーが基板の交換や部品を取り付けるなどして対応した。しかし、問題発覚から対応までの素早さ(発覚後数日で一連の対応が取られた)から、メーカーは発覚前からこの問題を認識していたのでは、との声もある[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d パチスロ攻略マガジン2001年10月7日発売号
  2. ^ 実物のメダルではなく、AT抽選に使われる機種内のコインのこと。