カーリー (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

カーリー』は、高殿円・著、椋本夏夜・画のライトノベル作品。エンターブレインファミ通文庫刊。後に講談社文庫より再刊。

ストーリー[編集]

舞台は20世紀前半のイギリス領インド

イギリス本国を離れ、インド洋に面した小都市・パンダリーコットに移住したシャーロット=シンクレアと、黒い瞳が印象的な美少女・カーリーの、出会いと友情を描く。

登場人物[編集]

オルガ女学院
シャーロット=シンクレア
主人公。14歳(シリーズ開始時)。たんぽぽのようなふわふわの金髪、グリーンティーのような瞳の少女。父のウィリアムはパンダリーコットの大使。
カーリーガード・アリソン
シャーロットより一つ年下。スラリと背が高く、長い黒髪にオニキスのような瞳を持つ神秘的な美少女。
ミチル=マーマデューク=モナリ
ほっそりとした体躯にマヌカンのようなショートヘアの東洋人の少女。日本の神戸出身。両親は早くに他界しており、イギリス出身の世界的服飾デザイナークロード=モナリの養女となった。
ヘンリエッタ=モーガン
ふわふわとしたスコーンのような笑顔の、丸眼鏡をかけているお下げ髪の少女。科学が大好きで密かにヒルを飼っている。父はカシミールの県判事。
ヴェロニカ・トッド・チェンバース
赤毛の縦ロールにブルーグレーの瞳の少女。オルガ女学院で唯一特別室の使用を許された「女王様」。
ベアトリス=エコー/サリー=エコー
双子の姉妹。ヴェロニカの取り巻き。語尾に「ふふん」をつけるのが癖。
ベリンダ=フランセス=シュミット=マノワ
オルガ女学院の最上級生プリーフェクト。才色兼備で非常に厳しい。特に優秀なためハウス長も兼任しており、「ミス・クール」の異名を持つ。パティのファグ・マスター。
クリシュナ・パドマバディ=ガエグワット
バローダの第一王女。通称パティ。アメリカ好きの父親の元奔放に育ったおてんば。祖父譲りのコンタックスを首からぶら下げている。ベリンダのファグとなる。
MI6
エセルバート=オーキッド
本名ハロルド・エイドリアン・ラッセル・フィルビー。愛称はキム。表向きはオルガ女学院の隣の洋館に住むオーキッド商会の跡取りだが、その正体はMI6のロビン(諜報員)。釣り工作を専門とし、Jとも呼ばれる。子供の頃、シャーロットの母・ミリセントと一緒に仕事をしていたことがある。3巻冒頭でMI6の対ソ連諜報課長に就任するが、真の正体はソ連の二重スパイ。
ミモザ
本名ミッチェル=クロウ。階級は少佐。肉厚な唇が特徴の妖艶な女性。表向きはオーキッド商会の洋館に勤めるメイドだが、その正体はMI6の暗殺班に所属するロビン。
エドワード=ソーントン
本名デイビッド=スタンレー。階級は中尉。癖のある黒髪、彫りの深い顔立ちに高い鷲鼻が特徴。Tと呼ばれる、色事を仕掛けるのを仕事とするMI6所属のロビン。新聞記者のエドワードとしてパティに近づき、偽の恋を仕掛けた。
ミリセント=シンクレア
通称スカーレット=ミリ。シャーロットの母親。ブロンドの美女で、マタハリの再来と呼ばれた屈指のロビン。表向きはシャーロットが小さい頃に亡くなっていたとされていたが、本当は存命だった。

既刊一覧[編集]

  1. 黄金の尖塔の国とあひると小公女 (ファミ通文庫、2006年3月 ISBN 9784757726611 / 講談社文庫、2012年)
  2. 二十一発の祝砲とプリンセスの休日 (ファミ通文庫、2006年9月 ISBN 9784757729117 / 講談社文庫、2013年)
  3. 孵化する恋と帝国の終焉 (講談社文庫、2014年)