イレズミコンニャクアジ

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イレズミコンニャクアジ
Ragfish.png
上:稚魚、下:成魚
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
: イレズミコンニャクアジ科 Icosteidae
: イレズミコンニャクアジ属
: イレズミコンニャクアジ
I. aenigmaticus
学名
Icosteus aenigmaticus
Lockington, 1880
シノニム
  • Schedophilopsis spinosus Steindachner, 1881
  • Acrotus willoughbyi Bean, 1888
英名
Ragfish

イレズミコンニャクアジ(刺青蒟蒻鯵、学名:Icosteus aenigmaticus )はスズキ目イレズミコンニャクアジ科に属する海水魚。同科には本種のみが属する[1]

属名は古典ギリシア語: εἴκω ("to bring") ・古典ギリシア語: ὀστέον ("骨") に由来する[2]。"イレズミ"は若魚の体色に、"コンニャク"は体が柔らかいことに由来する[3]

近年まで他の魚類との関係は不明だったが、分子系統解析からはヤエギス科に近縁であることが示されている[4]

アラスカで漁獲された成魚

分布[編集]

北太平洋に広く分布する。冷水系の種で、表面水温8-10℃が南限である[5]。若魚は沿岸の表層にも生息するが、成魚は深度1000mほどの深海に生息する。

形態[編集]

体長は最大2m。体は細長く、やや側偏するが頭部の断面は円い。はない[2]背鰭は52-55軟条臀鰭は34-40軟条で、棘条はない[1]。若魚は腹鰭を持つが、これは非常に千切れやすく、成魚になると消失する[5]。若魚は黄褐色の体に多数の紫色斑があるが、成魚では一様な褐色となる[1]

生態[編集]

比較的大きな口、軟らかな筋肉、軟骨性の骨格、黒褐色の体色、細い尾柄、幅広い尾鰭、鰾が存在しないことから推測すると、本種は表層から漸深層上部までの幅広い深度を泳ぎまわり、遭遇した獲物を手当たり次第に捕食していると考えられる[5]

本種を捕食する生物として、マグロ類・マッコウクジラトドが確認されている[5]

脚注[編集]

  1. ^ a b c Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2006). "Icosteus aenigmaticus" in FishBase. April 2006 version.
  2. ^ a b Lockington, William Neale (1880), Description of a new genus and some new species of California fishes (Icosteus aenigmaticus and Osmerus attenuatus), http://160.111.252.33/dspace/bitstream/10088/12344/1/USNMP-3_123_1880.pdf 
  3. ^ イレズミコンニャクアジ”. いわての魚類図鑑. 岩手県水産技術センター. 2014年3月14日閲覧。
  4. ^ Miya, Masaki and Friedman, Matt and Satoh, Takashi P and Takeshima, Hirohiko and Sado, Tetsuya and Iwasaki, Wataru and Yamanoue, Yusuke and Nakatani, Masanori and Mabuchi, Kohji and Inoue, Jun G and others (2013). “Evolutionary origin of the scombridae (tunas and mackerels): Members of a paleogene adaptive radiation with 14 other pelagic fish families”. PloS one 8 (9): e73535. doi:10.1371/journal.pone.0073535. 
  5. ^ a b c d Allen, George H (2001). “The Ragfish, Icosteus aenigmaticus Lockington, 1880: A Synthesis of Historical and Recent Records From the North Pacific Ocean and the Bering Sea”. Marine Fisheries Review 63 (4): 1-31.