トド

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トド
トド
トド(オス) Eumetopias jubatus
保全状況評価[a 1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 EN.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネコ目 Carnivora
: アシカ科 Otariidae
: トド属
Eumetopias Gill, 1866
: トド E. jubatus
学名
Eumetopias jubatus (Schreber, 1776)
和名
トド
英名
Nothern sea lion
Steller sea lion
Steller's sea lion

Eumetopias jubatus distribution.png

トド(胡獱、 魹、Eumetopias jubatus)は、動物界脊索動物門哺乳綱ネコ目(食肉目)アシカ科トド属に分類される食肉類。本種のみでトド属を構成する。

目次

[編集] 分布

太平洋恵山岬からチャンネル諸島にかけて)、オホーツク海日本海朝鮮半島北部から島牧地方)、ベーリング海[1][2][a 2]

繁殖地は千島列島アリューシャン列島からカムチャッカ半島東部、カリフォルニア州にかけての地域に点在する[1][2]。日本には10-翌5月に千島列島の個体群が、北海道沿岸域(礼文島から積丹岬にかけて、根室海峡など)へ回遊する[1][a 2]

[編集] 形態

最大全長330センチメートル[2]。体重オス1,000キログラム、メス305キログラムとアシカ科最大種[1]。背面の毛衣は淡黄褐色、腹面の毛衣は黒褐色[2]

四肢(鰭)は黒く、体毛で被われない[2]

オスの成獣は額が隆起し、後頭部の体毛が伸長し鬣状になる[2]。また上半身が肥大化する[1]

出産直後の幼獣は全長100センチメートル[2]。体重18-22キログラム[2]

[編集] 生態

海岸から30キロメートル以内の海域に生息する[1]。昼間は岩礁海岸で休む[1]

食性は動物食で、魚類カサゴシシャモスケトウダラヒラメホッケマダラメバルなど)、軟体動物イカミズダコ)などを食べる[1][2][a 2]

繁殖形態は胎生。5-7月になるとオスが上陸して縄張りを形成し、数頭から数十頭のメスとハレムを形成する[2]。主に6月に1回に1頭の幼獣を産む[1]。授乳期間は1-2年[1]。オスは生後3-4年、メスは生後4-5年で性成熟する[1]

[編集] 人間との関係

網にかかった漁獲物を奪ったり、漁具を破壊することから漁業関係者からは嫌遠される[2]。日本では漁業被害を防ぐため1959年以降駆除の対象とされ[1]、国際的に非難されている[2]

漁業との競合、害獣としての駆除などにより生息数は減少している[1]。アメリカ合衆国やロシアでは保護の対象とされている[1]1989年における生息数は116,000頭と推定されている[2][a 2]

尚、“トド”という和名は、アイヌ語の“トント”に由来し、これは「なめし革」を意味する。 

かつて、北海道漁業関係者からは「海のギャング」と呼ばれ有害鳥獣と目されていた。1960年代には、有害鳥獣駆除として航空自衛隊F86戦闘機による機銃掃射や、陸上自衛隊12.7mm重機関銃M2M1ライフルなどによる実弾射撃が行われていた。トドの生息地の沿岸漁民が行うトドの駆除(トド撃ち)は主に繁殖期である春に行われていたため、かつてはNHKのローカルニュースにて「春の風物詩」として毎年報道されていた。基本的に海洋哺乳類は魚を捕食する為に漁業関係者に害獣扱いされ駆除される事が多い。

2000年代には農林水産省で駆除、環境省で保護という真っ向から相反する政策が取られたこともあった。これは、環境省の評価基準がIUCN(国際自然保護連合)と同じ基準に基づくのに対し、農林水産省では独自の基準を採用している為である。

トドカレー」は北海道の土産物として、「熊カレー」「えぞ鹿カレー」と並んで、広く知られている。

尚、日本各地にトド岩という地名も散見されるが、過去においては日本ではトドとアシカ(ニホンアシカ)は必ずしも区別されておらず、アシカをトドと呼ぶ事も度々みられ、本州以南のトド岩の主はアシカであったようである。

北海道、知床世界遺産に登録されたことから、トドの駆除に関しては議論が起こっている。トドは世界的に見れば個体数の減少により保護が叫ばれている。アメリカ、ロシアでは絶滅危惧種に指定されており、トドを日本が駆除し続けてはならないとする論調である。これは1960年代には2万頭ちかく来遊していたトドが2000年以降5,000頭ほどまでに減少していることも影響している。しかし、漁業被害も深刻なことから漁業関係者らは駆除の継続を求めている(前述のとおり、日本においては水産関係の影響力が極端に強いという面もある)。漁業被害はトドの減少を始めた1960年代から悪化しており、漁業資源の乱獲による魚自体の減少に伴い、網にかかった魚類を捕食する個体が増えた事が被害増加の原因とされる[3]

絶滅危惧II類(VU)環境省レッドリスト[a 2]

Status jenv VU.png
  • 北海道版レッドデータブック -希少種

[編集] 参考文献

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 阿部永監修、阿部永・石井信夫・伊藤徹魯・金子之史・前田喜四雄・三浦慎吾・米田政明 『日本の哺乳類【改訂2版】』 東海大学出版会、2008年、100頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ8 太平洋、インド洋』、講談社2001年、24-25、163-164頁。
  3. ^ 『海のけもの達の物語 -オットセイ・トド・アザラシ・ラッコ』成山堂書店、和田一雄編著、2004年P108-110

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

  1. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • Gelatt, T. & Lowry, L. 2008. Eumetopias jubatus. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.1.
  2. ^ a b c d e 環境省 自然環境局 生物多様性センター
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