かんしゃく

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かんしゃくは落語の演目 八代目桂文楽が得意とした。

[編集] あらすじ

ある亭主、金満家だがすごい癇癪持ちである。今日も今日とて、お屋敷に帰宅後、「おい、誰も出迎えんとはどういうことじゃ。帚を片付けろ。下駄が脱ぎっぱなしだ。水がまいとらんぞ!あっ!帽子掛けが曲がっとるじゃないか。・・・蜘蛛の巣がある!・・・どいつもこいつも、・・・おい静子、茶をだせ!床の間の花が曲がっとる!会社の山田君が来たぞ。湯は沸いとるか!飯の支度もまだじゃないか!」と怒鳴りつける。あまりの酷さに客も帰ってしまい、「何だって帰った!」と怒り出す。細君静子も「もう、辛抱しかねます!里へ帰らせていただきます。」「出てけ~!」

実家に帰り涙ながらに告げる静子だが、父親は「嫁したれば帰る家はない。お前の死に場所は先様ですよ。・・・お父さんがいいこと教えてやろう。『煙くとも末に寝やすき蚊やりかな。』といってな。人間というものは苦しい峠を越えなければ人となれない。男というものは会社で人を使う。使うんじゃない使われるんだ。・・・身も心も疲れ様々な苦労をして帰ってくる。一日の安息を得るのが我が家しかない。そこがうまくいってなければ小言も出る。そんなところを上手くとりなすのがお前の役目じゃないか。」などとさまざまに教えさとし「ご亭主が癇癪を落とさないようにするには、頭の働きですよ。朝早く起きて練って練って練りぬきなさい。家の女中や書生をお前は二階、お前は書斎とうまく使うとよい。」とアドバイスをする。

帰宅後さっそく静子は使用人に役割分担をさせて、亭主の帰りを待つ。すでに帰宅の1時間前からみんな玄関に勢ぞろい。亭主も帰宅と共に一同の出迎えを受け悪い顔をするはずがない。「うむ、帚も片付いた。おっ。下駄も片づけたな。水もまいとる。帽子掛けもちゃんとしとる。蜘蛛の巣も片付いたな。・・・花も活け変えたか。うむ、いい。いい。」さらには「御苦労さまでした。お暑いうございましょう。」と、座布団に座り扇風機アイスクリームまで用意される至れり尽くせりの有様。

これではさすがの癇癪も出ず、亭主はニコニコと上機嫌、みなほっとするのもつかの間、亭主が怒りだす!「おい!これじゃあ、おれは怒ることが出来んじゃないか!」

[編集] 概略

大財閥の三井の一族で、文才もあった益田太郎冠者初代三遊亭圓左のために書き下ろした新作だが、作品の時代背景から現在では古典として通用する。文楽の演目には珍しい近代的な香りがする小品である。三代目三遊亭圓橘三代目三遊亭金馬なども得意とした。文楽自身もかなりの癇癪持ちでったので、この噺にはぴったりでもあった。現在は十代目柳家小三治などが演じている。短い噺だが主人の豪邸、実家、再び主人の豪邸との三部形式でストーリーも起伏に富み、登場人物も多く、特に、やたらと癇癪を起す主人、優しくもきびしい父親、悩む細君、実直な使用人などの描写の使い分けが難しい。

[編集] 参考文献

川戸貞吉 「落語大百科」1 冬青社 2001年 ISBN4-924725-70-6C0074

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