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'''ゲルマニウム温浴'''(ゲルマニウムおんよく)は、[[ゲルマニウム]]<!--特に有機ゲルマニウムも水溶性なので使われます-->を含んだ流動する湯に、手首と足首をつけ発汗させる[[入浴]]方法<ref name="naid130004375796"/>。40-43度の湯に、20分程度[[手足浴|手足をつけて温浴]]を行うと多量に[[汗]]をかく<!--{{Cite news |和書|newspaper=新聞名を控え忘れたためコメントアウト |date=20040108 |title=丸栄 売り場に温浴設備 |page=11 }}-->。主にヘルスケア産業で提供されている。1980年代なかば・2000年代なかばに流行があった。2020年時点で効果の研究は進んでいない。 |
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1980年代には西武の監督だった[[広岡達朗]]がゲルマニウムに凝っていると報道され、温浴器の宣伝を大衆紙に掲載していた。1986年の文献では「流行しているゲルマニウム温浴」と記されている<ref name="naid130004375796"><!--この資料自体は非科学的でミネラルとゲルマニウムがくっつくと書いているが、最近の研究では皮膚でL-DOPAなどのアミノ酸とで錯体を作っているとされるためそのあたりの説明は引用しない方がよろしいかと-->{{Cite journal |和書|author=山崎敏子 |date=1986 |title=耳鼻咽喉科への良導絡治療 |journal=日本良導絡自律神経学会雑誌 |volume=31 |issue=8 |pages=205-206 |naid=130004375796 |doi=10.17119/ryodoraku1986.31.205 |url=https://doi.org/10.17119/ryodoraku1986.31.205}}</ref>。1980年代には、芸能人がゲルマニウム温浴を行っていることが報道された<ref>{{Cite news |和書|newspaper=読売新聞 東京朝刊 |date=1987-5-28 |title=荻野目慶子さん 真冬に冷水などよろず健康法 |page=19 }}</ref><ref>{{Cite journal |和書|title=ゲルマニウム温浴法を田中久美が体験入浴 |date=1984-2 |publisher= |journal=週刊Heibon |volume=26 |issue=6 |pages= }}</ref>。 |
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⚫ | 2009年の経済産業省の調査では、温泉施設へのアンケートで今後取り上げたいサービスのひとつとして名が挙がっている<ref name="経済産業省2009">{{Cite report |date= |title=「我が国におけるスパ・サービスの現状と展望に関する調査研究」報告書. 平成20年度 |url=https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11220964 |publisher=経済産業省 |page=9, 33 }}</ref>。同調査での大型商業施設の63事業者からの回答では、[[リフレクソロジー]]1位96.8%と提供している事業者は多く、5位12.7%がゲルマニウム温浴を提供しており、割合は少ないがトップ5に入っている<ref name="経済産業省2009"/>。 |
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⚫ | マーケティングを学ぶ女子大生が毎年の課題でヒット商品、2006年度でのみ[[岩盤浴]]やゲルマニウム温浴を題材にしている(浴場サービス全般の流行)<ref>{{Cite journal |和書|author=伊東裕貴 |date=2010-03 |title=「ヒット商品」から見た社会とコミュニケーション |journal=コミュニケーション文化 |volume=4 |issue= |pages=24-33 |url=http://id.nii.ac.jp/1612/00001241/}}</ref>。2009年の経済産業省の調査では、温泉施設へのアンケートで今後取り上げたいサービスのひとつとして名が挙がっている<ref name="経済産業省2009">{{Cite report |date= |title=「我が国におけるスパ・サービスの現状と展望に関する調査研究」報告書. 平成20年度 |url=https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11220964 |publisher=経済産業省 |page=9, 33 }}</ref>。同調査での大型商業施設の63事業者からの回答では、[[リフレクソロジー]]1位96.8%と提供している事業者は多く、5位12.7%がゲルマニウム温浴を提供しており、割合は少ないがトップ5に入っている<ref name="経済産業省2009"/>。 |
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== ゲルマニウムを含む温泉療法 == |
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ゲルマニウムは土壌や天然の水、植物などにも含まれているがその役割はよく知られておらず、規制や飲料水中の基準はない<ref name="pmid29299858">{{cite journal |authors=Dobrzyński D, Boguszewska-Czubara A, Sugimori K |title=Hydrogeochemical and biomedical insights into germanium potential of curative waters: a case study of health resorts in the Sudetes Mountains (Poland) |journal=Environ Geochem Health |volume=40 |issue=4 |pages=1355–1375 |date=2018-8 |pmid=29299858 |pmc=6061135 |doi=10.1007/s10653-017-0061-0 |url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6061135/ }}</ref>。日本、韓国、台湾、中国などの一部の東アジア諸国では、ゲルマニウムが健康との関連で注目されており、欧州ではそのような関心はアジアより薄いが、ないわけでもなく、[[ポーランド]]の[[ズデーテン山地]]のリゾート地ではゲルマニウムが豊富と言われている<ref name="pmid29299858"/><!--http://www.ismh-direct.net/upload/ismh/document/Balneology_2012_6.pdf?web_id=-->。飲用や[[温泉療法]]を行う療養施設の認識の増加は、欧州でそうした研究を進める契機となりうる<ref name="pmid29299858"/>。 |
ゲルマニウムは土壌や天然の水、植物などにも含まれているがその役割はよく知られておらず、規制や飲料水中の基準はない<ref name="pmid29299858">{{cite journal |authors=Dobrzyński D, Boguszewska-Czubara A, Sugimori K |title=Hydrogeochemical and biomedical insights into germanium potential of curative waters: a case study of health resorts in the Sudetes Mountains (Poland) |journal=Environ Geochem Health |volume=40 |issue=4 |pages=1355–1375 |date=2018-8 |pmid=29299858 |pmc=6061135 |doi=10.1007/s10653-017-0061-0 |url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6061135/ }}</ref>。日本、韓国、台湾、中国などの一部の東アジア諸国では、ゲルマニウムが健康との関連で注目されており、欧州ではそのような関心はアジアより薄いが、ないわけでもなく、[[ポーランド]]の[[ズデーテン山地]]のリゾート地ではゲルマニウムが豊富と言われている<ref name="pmid29299858"/><!--http://www.ismh-direct.net/upload/ismh/document/Balneology_2012_6.pdf?web_id=-->。飲用や[[温泉療法]]を行う療養施設の認識の増加は、欧州でそうした研究を進める契機となりうる<ref name="pmid29299858"/>。 |
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水には主にゲルマニウム酸などの無機ゲルマニウムの形態で含まれ、植物や動物の食品には、三二酸化物ゲルマニウムカルボキシエチルやゲルマニウム132 (Ge-132) といった有機ゲルマニウムの形態で含まれる<ref name="pmid29299858"/>。熱水では、ゲルマニウム濃度は検出不能から300µg/リットルの範囲で、50µgを超えることは少ない。ゲルマニウム含有量は、アルカリ性、または特に活火山地帯のような反応性ケイ酸塩鉱物で作られた岩盤に豊富である<ref name="pmid29299858"/>。日本での温泉の分析によれば、温泉中に鉄が多いほどゲルマニウムが多く<ref>{{Cite journal |和書|author1=太秦康光 |author2=瀬尾淑子 |date=1959 |title=温泉の化学的研究(第49~50報)(第50報)温泉のゲルマニウムについて(その2) |journal=日本化學雜誌 |volume=80 |issue=10 |pages=1124-1128 |doi=10.1246/nikkashi1948.80.10_1124 |url=https://doi.org/10.1246/nikkashi1948.80.10_1124}}</ref>、各温泉での変動は激しいがアルカリ性の温泉にゲルマニウムが豊富で、130温泉中9か所でのみゲルマニウムが検出されず、0.4-43µg/リットルの範囲でほぼすべての温泉に広く分布しているとされる<ref>{{Cite journal |和書|author1=太秦康光 |author2=瀬尾淑子 |date=1959 |title=温泉の化学的研究(第49~50報)(第49報)温泉のゲルマニウムについて(その1) |journal=日本化學雜誌 |volume=80 |issue=10 |pages=1118-1123 |doi=10.1246/nikkashi1948.80.10_1118 |url=https://doi.org/10.1246/nikkashi1948.80.10_1118}}</ref>。 |
水には主にゲルマニウム酸などの無機ゲルマニウムの形態で含まれ、植物や動物の食品には、三二酸化物ゲルマニウムカルボキシエチルやゲルマニウム132 (Ge-132) といった有機ゲルマニウムの形態で含まれる<ref name="pmid29299858"/>。熱水では、ゲルマニウムの濃度は検出不能から300µg/リットルの範囲で、50µgを超えることは少ない<ref name="pmid29299858"/>。ゲルマニウム含有量は、アルカリ性、または特に活火山地帯のような反応性ケイ酸塩鉱物で作られた岩盤に豊富である<ref name="pmid29299858"/>。日本での温泉の分析によれば、温泉中に鉄が多いほどゲルマニウムが多く<ref>{{Cite journal |和書|author1=太秦康光 |author2=瀬尾淑子 |date=1959 |title=温泉の化学的研究(第49~50報)(第50報)温泉のゲルマニウムについて(その2) |journal=日本化學雜誌 |volume=80 |issue=10 |pages=1124-1128 |doi=10.1246/nikkashi1948.80.10_1124 |url=https://doi.org/10.1246/nikkashi1948.80.10_1124}}</ref>、各温泉での変動は激しいがアルカリ性の温泉にゲルマニウムが豊富で、130温泉中9か所でのみゲルマニウムが検出されず、0.4-43µg/リットルの範囲でほぼすべての温泉に広く分布しているとされる<ref>{{Cite journal |和書|author1=太秦康光 |author2=瀬尾淑子 |date=1959 |title=温泉の化学的研究(第49~50報)(第49報)温泉のゲルマニウムについて(その1) |journal=日本化學雜誌 |volume=80 |issue=10 |pages=1118-1123 |doi=10.1246/nikkashi1948.80.10_1118 |url=https://doi.org/10.1246/nikkashi1948.80.10_1118}}</ref>。 |
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病院で泥湯にゲルマニウムを混ぜ温浴させ検査を行ったところ、混入直後に1148ppmの濃度となっていたグループの方が、4か月後に4.5ppmとなっていたグループより総合的に有効例が多い(有効例90%・比較群記載なし)とされ、総合的に疼痛などの諸症状に有効、温浴で上昇しやすいGPTの値は抑制される傾向を得た<ref>山本厳雄、八田秋「ゲルマニウム(Ge)泥浴の経験」p46. は以下の文献より:{{Cite journal |和書| |date=1986 |title=第51回 日本温泉気候物理医学会総会一般演題抄録 |journal=日本温泉気候物理医学会雑誌 |volume=50 |issue=1 |pages=32-60 |doi=10.11390/onki1962.50.32 |url=https://doi.org/10.11390/onki1962.50.32}}</ref>。 |
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2020年10月7日 (水) 15:36時点における版
ゲルマニウム温浴(ゲルマニウムおんよく)は、ゲルマニウムを含んだ流動する湯に、手首と足首をつけ発汗させる入浴方法[1]。40-43度の湯に、20分程度手足をつけて温浴を行うと多量に汗をかく。主にヘルスケア産業で提供されている。1980年代なかば・2000年代なかばに流行があった。2020年時点で効果の研究は進んでいない。
1980年代には西武の監督だった広岡達朗がゲルマニウムに凝っていると報道され、温浴器の宣伝を大衆紙に掲載していた。1986年の文献では「流行しているゲルマニウム温浴」と記されている[1]。1980年代には、芸能人がゲルマニウム温浴を行っていることが報道された[2][3]。
マーケティングを学ぶ女子大生が毎年の課題でヒット商品、2006年度でのみ岩盤浴やゲルマニウム温浴を題材にしている(浴場サービス全般の流行)[4]。2009年の経済産業省の調査では、温泉施設へのアンケートで今後取り上げたいサービスのひとつとして名が挙がっている[5]。同調査での大型商業施設の63事業者からの回答では、リフレクソロジー1位96.8%と提供している事業者は多く、5位12.7%がゲルマニウム温浴を提供しており、割合は少ないがトップ5に入っている[5]。
ゲルマニウムを含む温泉療法
ゲルマニウムは土壌や天然の水、植物などにも含まれているがその役割はよく知られておらず、規制や飲料水中の基準はない[6]。日本、韓国、台湾、中国などの一部の東アジア諸国では、ゲルマニウムが健康との関連で注目されており、欧州ではそのような関心はアジアより薄いが、ないわけでもなく、ポーランドのズデーテン山地のリゾート地ではゲルマニウムが豊富と言われている[6]。飲用や温泉療法を行う療養施設の認識の増加は、欧州でそうした研究を進める契機となりうる[6]。
水には主にゲルマニウム酸などの無機ゲルマニウムの形態で含まれ、植物や動物の食品には、三二酸化物ゲルマニウムカルボキシエチルやゲルマニウム132 (Ge-132) といった有機ゲルマニウムの形態で含まれる[6]。熱水では、ゲルマニウムの濃度は検出不能から300µg/リットルの範囲で、50µgを超えることは少ない[6]。ゲルマニウム含有量は、アルカリ性、または特に活火山地帯のような反応性ケイ酸塩鉱物で作られた岩盤に豊富である[6]。日本での温泉の分析によれば、温泉中に鉄が多いほどゲルマニウムが多く[7]、各温泉での変動は激しいがアルカリ性の温泉にゲルマニウムが豊富で、130温泉中9か所でのみゲルマニウムが検出されず、0.4-43µg/リットルの範囲でほぼすべての温泉に広く分布しているとされる[8]。
病院で泥湯にゲルマニウムを混ぜ温浴させ検査を行ったところ、混入直後に1148ppmの濃度となっていたグループの方が、4か月後に4.5ppmとなっていたグループより総合的に有効例が多い(有効例90%・比較群記載なし)とされ、総合的に疼痛などの諸症状に有効、温浴で上昇しやすいGPTの値は抑制される傾向を得た[9]。
出典
- ^ a b 山崎敏子「耳鼻咽喉科への良導絡治療」『日本良導絡自律神経学会雑誌』第31巻第8号、1986年、205-206頁、doi:10.17119/ryodoraku1986.31.205、NAID 130004375796。
- ^ 「荻野目慶子さん 真冬に冷水などよろず健康法」『読売新聞 東京朝刊』1987年5月28日、19面。
- ^ 「ゲルマニウム温浴法を田中久美が体験入浴」『週刊Heibon』第26巻第6号、1984年2月。
- ^ 伊東裕貴「「ヒット商品」から見た社会とコミュニケーション」『コミュニケーション文化』第4巻、2010年3月、24-33頁。
- ^ a b 「我が国におけるスパ・サービスの現状と展望に関する調査研究」報告書. 平成20年度 (Report). 経済産業省. p. 9, 33.
- ^ a b c d e f Dobrzyński D, Boguszewska-Czubara A, Sugimori K (2018-8). “Hydrogeochemical and biomedical insights into germanium potential of curative waters: a case study of health resorts in the Sudetes Mountains (Poland)”. Environ Geochem Health 40 (4): 1355–1375. doi:10.1007/s10653-017-0061-0. PMC 6061135. PMID 29299858 .
- ^ 太秦康光、瀬尾淑子「温泉の化学的研究(第49~50報)(第50報)温泉のゲルマニウムについて(その2)」『日本化學雜誌』第80巻第10号、1959年、1124-1128頁、doi:10.1246/nikkashi1948.80.10_1124。
- ^ 太秦康光、瀬尾淑子「温泉の化学的研究(第49~50報)(第49報)温泉のゲルマニウムについて(その1)」『日本化學雜誌』第80巻第10号、1959年、1118-1123頁、doi:10.1246/nikkashi1948.80.10_1118。
- ^ 山本厳雄、八田秋「ゲルマニウム(Ge)泥浴の経験」p46. は以下の文献より:「第51回 日本温泉気候物理医学会総会一般演題抄録」『日本温泉気候物理医学会雑誌』第50巻第1号、1986年、32-60頁、doi:10.11390/onki1962.50.32。