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「ラマヌジャングラフ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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前回投稿の続き(新しい節定義の追加(あまりにも素っ気ない定義だと思います))。
前回までの投稿の訂正と続き(英語版の該当節からつまみ食いです(この類のページは数学ソフト暇つぶしできるぐらいまでは書きますが、後はよろしく(オイオイ(影の声のつもり…(日本語参考文献には英語版にない話題も有りそうです)))))。
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== 定義 ==
== 定義 ==


<math>G</math> を''つながった''({{lang-en-short|connected}})<math>n</math> 個の頂点をもった <math>d</math> -正則グラフとする、そして <math>\lambda_1 \geq \lambda_2 \geq \cdots \geq \lambda_n</math> を <math>G</math> の[[接続行列]]の[[固有値]](もしくは <math>G</math> の{{日本語版にない記事リンク |スペクトル |en |spectrum}})とする。<math>G</math>はつながった <math>d</math> -正則グラフなので、それの固有値は、 <math>d = \lambda_1 > \lambda_2</math> <math>\geq \cdots \geq \lambda_n \geq - d</math> を満たす。
<math>G</math> を[[連結グラフ|''つながった'']]({{lang-en-short|connected}})<math>n</math> 個の頂点をもった <math>d</math> -正則グラフとする、そして <math>\lambda_1 \geq \lambda_2 \geq \cdots \geq \lambda_n</math> を <math>G</math> の[[接続行列]]の[[固有値]](もしくは <math>G</math> の{{日本語版にない記事リンク |スペクトル |en |spectrum}})とする。<math>G</math>はつながった <math>d</math> -正則グラフなので、それの固有値は、 <math>d = \lambda_1 > \lambda_2</math> <math>\geq \cdots \geq \lambda_n \geq - d</math> を満たす。


<math>\lambda(G) = \max_{i \neq 1} | \lambda_i | = \max( | \lambda_2 |, | \lambda_n | )</math> と定義する。もし <math>\lambda(G) \leq 2 \sqrt{ d - 1 }</math> を満たすならば、 <math>d</math> -正則グラフは ''ラマヌジャングラフ'' である。
<math>\lambda(G) = \max_{i \neq 1} | \lambda_i | = \max( | \lambda_2 |, | \lambda_n | )</math> と定義する。もし <math>\lambda(G) \leq 2 \sqrt{ d - 1 }</math> を満たすならば、 <math>d</math> -正則グラフは ''ラマヌジャングラフ'' である。

== 構成 ==

固定した<math>d</math> ごとにたいする<math>d</math> -正則なラマヌジャングラフの構成について、数学者たちはしばしば興味をいだく。このようなラマヌジャングラフの''無限な族''({{lang-en-short|infinite family}})の現在の構成は、しばしば代数的である。
* <math>p</math> が[[素数]]で、<math>4</math> を法として<math>1</math> と[[合同式|合同]]な場合に、[[:en:Alexander Lubotzky |ルボツキー]]、[[:en:Ralph S. Phillips |フィリップス]]、[[ピーター・サルナック|サルナック]]{{sfnp|Lubotzky|Phillips|Sarnak|1988}}は、<math>( p + 1 )</math> -正則ラマヌジャングラフの或る無限な族をどうやって構成するかを示した。ラマヌジャングラフの呼称を由来させる、[[ラマヌジャン・ピーターソン予想]]を、彼らの証明は用いる。ラマヌジャングラフであることに加えて、彼らの構成は幾つかの性質を満たす、たとえば、<math>n</math> をその辺の数として、それらの[[内周 (グラフ理論)|内周]]は<math>\Omega ( \log_{ p } ( n ) )</math> である。

任意の<math>d > 3</math> について、幾つかの無限な([[2部グラフ|2部]]({{lang-en-short|bipartite}})でない)<math>d</math> -正則なラマヌジャングラフが存在するかどうかは、未解決である。とりわけ、<math>d = 7</math> については解かれていない、最小の<math>d = 1</math> の場合では素数の冪(べき)ではなくしたがってモルゲンシュタインの構成は応用できない。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
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{{Reflist}}
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=== 雑誌 ===
=== 雑誌 ===
* {{cite journal |last1 =Lubotzky |first1 =Alexander |authorlink =:en:Alexander Lubotzky |last2 =Phillips |first2 =Ralph |authorlink2 =:en:Ralph Phillips |last3 =Sarnak |first3 =Peter |authorlink3 =ピーター・サルナック |year =1988 |title =Ramanujan graphs |journal =[[:en:Combinatorica|Combinatorica]] |volume =8 |issue =3 |pages =261-277 |doi =10.1007/BF02126799 |ref =harv}}
* {{cite journal |last =Murty |first =M. Ram |authorlink =:en:M. Ram Murty |date =Jan. 8, 2003 |title =Ramanujan Graphs |journal =J. Ramanujan Math. Soc.|volume =18 |issue =1 |pages =1-20 |url =http://www.mast.queensu.ca/~murty/ramanujan.pdf |ref =harv}}
* {{cite journal |last =Murty |first =M. Ram |authorlink =:en:M. Ram Murty |date =Jan. 8, 2003 |title =Ramanujan Graphs |journal =J. Ramanujan Math. Soc.|volume =18 |issue =1 |pages =1-20 |url =http://www.mast.queensu.ca/~murty/ramanujan.pdf |ref =harv}}



2020年2月12日 (水) 07:01時点における版

スペクトルグラフ理論においてラマヌジャングラフ正則なグラフであって、それのスペクトル間隙英語: spectral gapがほとんど可能な限り大きくなるものである(極大グラフ理論英語: extremal graph theoryをみよ)。そのようなグラフは卓越してスペクトル的に見て広がりを持つ英語版。マーティの調査報告書の中で、[1]ラマヌジャングラフは「雑多な純粋数学、すなわち数論表現論代数幾何学が融合している」と記されている。これらのグラフは間接的にシュリニヴァーサ・ラマヌジャン以降命名された;それらの名称は、これらのグラフの構成を用いる、ラマヌジャン・ピーターソン予想から由来する。

定義

つながった: connected 個の頂点をもった -正則グラフとする、そして 接続行列固有値(もしくは スペクトル )とする。はつながった -正則グラフなので、それの固有値は、 を満たす。

と定義する。もし を満たすならば、 -正則グラフは ラマヌジャングラフ である。

構成

固定した ごとにたいする -正則なラマヌジャングラフの構成について、数学者たちはしばしば興味をいだく。このようなラマヌジャングラフの無限な族: infinite family)の現在の構成は、しばしば代数的である。

  • 素数で、 を法として合同な場合に、ルボツキーフィリップスサルナック[2]は、 -正則ラマヌジャングラフの或る無限な族をどうやって構成するかを示した。ラマヌジャングラフの呼称を由来させる、ラマヌジャン・ピーターソン予想を、彼らの証明は用いる。ラマヌジャングラフであることに加えて、彼らの構成は幾つかの性質を満たす、たとえば、 をその辺の数として、それらの内周 である。

任意の について、幾つかの無限な(2部: bipartite)でない) -正則なラマヌジャングラフが存在するかどうかは、未解決である。とりわけ、 については解かれていない、最小の の場合では素数の冪(べき)ではなくしたがってモルゲンシュタインの構成は応用できない。

関連項目

脚注または引用文献

雑誌

参考文献

  • Davidoff, Guiliana; Sarnak, Peter; Valette, Alain (2003). Elementary number theory, group theory and Ramanujan graphs. LMS students texts. 55. Cambridge University Press. ISBN 0-521-53143-8. OCLC 50253269 
  • Toshikazu, Sunada (1985). L-functions in geometry and some applications. Lecture Note in Mathematics. 1201. pp. 266-284. doi:10.1007/BFb0075662. ISBN 978-3-540-16770-9 
  • 平松, 豊一、知念, 宏司『有限数学入門:有限上半平面とラマヌジャングラフ』(初版)牧野書店、東京都北区西ヶ原、2003年8月10日。ISBN 4-434-03407-3