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'''エクリチュール'''(仏:écriture、文字、書かれたもの、書く行為、の意)とは[[パロール]](話し言葉)に対して用いられる、言語学的・哲学的用語の一つ。現代に入ってエクリチュールとパロールの二項対立とその差異に注目したのはフランス現代思想家の[[ジャック・デリダ]]である。
'''エクリチュール'''(仏:écriture、文字、書かれたもの、書く行為、の意)とは[[パロール]](話し言葉)に対して用いられる、言語学的・哲学的用語の一つ。現代に入ってエクリチュールとパロールの二項対立とその差異に注目したのはフランス現代思想家の[[ジャック・デリダ]]である。


しかし、エクリチュールは思想家の数だけ、その言葉の意義が存在すると言っても過言ではない。例えば[[ジャック・デリダ]]においては西欧社会の[[パロール]]中心主義に対する[[アンチ・テーゼ]]のシステムとして、[[モーリス・ブランショ]]においては本質的に死を含む言語活動として、また[[ロラン・バルト]]においては快楽の知的媒介として。エクリチュールは話し言葉に対して、書き言葉の特質に注目したさいに用いられるタームなのである。
しかし、エクリチュールは思想家の数だけ、その言葉の意義が存在すると言っても過言ではない。例えば[[ジャック・デリダ]]においては西欧社会の[[パロール]]中心主義に対する[[アンチ・テーゼ]]のシステムとして(「[[脱構築]]」を参照)、[[モーリス・ブランショ]]においては本質的に死を含む言語活動として、また[[ロラン・バルト]]においては快楽の知的媒介として。エクリチュールは話し言葉に対して、書き言葉の特質に注目したさいに用いられるタームなのである。

2006年3月1日 (水) 08:51時点における版

エクリチュール(仏:écriture、文字、書かれたもの、書く行為、の意)とはパロール(話し言葉)に対して用いられる、言語学的・哲学的用語の一つ。現代に入ってエクリチュールとパロールの二項対立とその差異に注目したのはフランス現代思想家のジャック・デリダである。

しかし、エクリチュールは思想家の数だけ、その言葉の意義が存在すると言っても過言ではない。例えばジャック・デリダにおいては西欧社会のパロール中心主義に対するアンチ・テーゼのシステムとして(「脱構築」を参照)、モーリス・ブランショにおいては本質的に死を含む言語活動として、またロラン・バルトにおいては快楽の知的媒介として。エクリチュールは話し言葉に対して、書き言葉の特質に注目したさいに用いられるタームなのである。