「方向」の版間の差分

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'''方向'''(ほうこう)、'''向き'''(むき)は、[[空間]]上の位置を[[極座標]]で表したとき、数値が持つ[[距離]]以外の情報である。向きと大きさを持つ[[空間ベクトル|ベクトル]]から、大きさを取り去った残りの情報と言ってもいい。
'''方向'''(ほうこう)とは2つの'''向き'''(むき)を合わせた表現。'''向き'''(むき)を[[空間]]上の位置を[[極座標]]で表したとき、数値が持つ[[距離]]以外の情報である。向きと大きさを持つ[[空間ベクトル|ベクトル]]から、大きさを取り去った残りの情報と言ってもいい。


''n'' 次元空間での向の[[自由度]]は、''n'' から大きさの 1 を[[減算|引いた]] ''n'' - 1 である。向は[[単位ベクトル]]、あるいは、[[単位球]]([[2次元空間]]内なら[[単位円]])上の1点で表すことができる。
''n'' 次元空間での向の[[自由度]]は、''n'' から大きさの 1 を[[減算|引いた]] ''n'' - 1 である。向は[[単位ベクトル]]、あるいは、[[単位球]]([[2次元空間]]内なら[[単位円]])上の1点で表すことができる。


2次元空間内の方向は、ある基準となる向から[[角度]]である「偏角」で表すことができる。数学では通常、''x'' 軸の方向から[[反時計回り]]の角度である方向角が使われる。ただし[[方位]]では、[[北]]から時計回りの[[方位角]]が使われる。
2次元空間内の方向は、ある基準となる向から計った[[角度]]である「偏角」で表すことができる。数学では通常、''x'' 軸の方向から[[反時計回り]]の角度である方向角が使われる。ただし[[方位]]では、[[北]]から時計回りの[[方位角]]が使われる。


[[言語]]表現では、相対的方向として「[[縦横]]」、あるいは「[[上下]]」・「[[前後]]」・「[[左右]]」の「六方」が用いられる。このうち「上下」は重力などを基準にして絶対的表現として用いることが多い。しかし「前後」・「左右」は個人を基準とする方向表現であり、基準を明確にしないと誤解される恐れが大きく、一部にはこのような表現を用いない(より絶対的に表現できる方位などを代わりに用いる)言語もある。「縦横」は上下方向もしくは物体の長い方向(場合によっては前後方向)を「縦」といい、相対的にそれと直交する方向(あるいは特に左右方向)を「横」とする表現である。
[[言語]]表現では、相対的方向として「[[縦横]]」、あるいは「[[上下]]」・「[[前後]]」・「[[左右]]」の「六方」が用いられる。このうち「上下」は重力などを基準にして絶対的表現として用いることが多い。しかし「前後」・「左右」は個人を基準とする方向表現であり、基準を明確にしないと誤解される恐れが大きく、一部にはこのような表現を用いない(より絶対的に表現できる方位などを代わりに用いる)言語もある。「縦横」は上下方向もしくは物体の長い方向(場合によっては前後方向)を「縦」といい、相対的にそれと直交する方向(あるいは特に左右方向)を「横」とする表現である。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2012年5月24日 (木) 23:48時点における版

方向(ほうこう)とは、2つの向き(むき)を合わせた表現。向き(むき)を空間上の位置を極座標で表したとき、数値が持つ距離以外の情報である。向きと大きさを持つベクトルから、大きさを取り去った残りの情報と言ってもいい。

n 次元空間での向きの自由度は、n から大きさの 1 を引いた n - 1 である。向きは単位ベクトル、あるいは、単位球2次元空間内なら単位円)上の1点で表すことができる。

2次元空間内の方向は、ある基準となる向きから計った角度である「偏角」で表すことができる。数学では通常、x 軸の方向から反時計回りの角度である方向角が使われる。ただし方位では、から時計回りの方位角が使われる。

言語表現では、相対的な方向として「縦横」、あるいは「上下」・「前後」・「左右」の「六方」が用いられる。このうち「上下」は重力などを基準にして絶対的表現として用いることが多い。しかし「前後」・「左右」は個人を基準とする方向表現であり、基準を明確にしないと誤解される恐れが大きく、一部にはこのような表現を用いない(より絶対的に表現できる方位などを代わりに用いる)言語もある。「縦横」は上下方向もしくは物体の長い方向(場合によっては前後方向)を「縦」といい、相対的にそれと直交する方向(あるいは特に左右方向)を「横」とする表現である。

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