「ディリクレの原理」の版間の差分

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==歴史==
==歴史==
[[ベルンハルト・リーマン]]が[[ディリクレ]]と結びつけたことからディリクレの原理と呼ばれるようになったが、歴史的には、[[ガウス]]の磁気の研究や[[ウィリアム・トムソン]]と[[ディリクレ]]の物理学の研究に由来する。純粋数学への応用はリーマンによってはじめて行われた。彼は複素解析の基礎づけのためにこの原理を証明もなしに使用して、リーマン面上の関数の存在定理を証明したが、後に[[ワイエルシュトラス]]によってギャップが指摘された。その後、[[ヒルベルト]]が再定式化したことで、ディリクレの原理は正当化され、[[変分法]]の直接法が発展することになった。ヘルマン・ワイルは正射影法として再定式化した。
[[ベルンハルト・リーマン]]が[[ペーター・グスタフ・ディリクレ]]と結びつけたことからディリクレの原理と呼ばれるようになったが、歴史的には、[[カール・フリードリヒ・ガウス]]の磁気の研究や[[ウィリアム・トムソン]]と[[ペーター・グスタフ・ディリクレ]]の物理学の研究に由来する。純粋数学への応用はリーマンによってはじめて行われた。彼は複素解析の基礎づけのためにこの原理を証明もなしに使用して、リーマン面上の関数の存在定理を証明したが、後に[[カール・ワイエルシュトラス]]によってギャップが指摘された。その後、[[ダフィット・ヒルベルト]]が再定式化したことで、ディリクレの原理は正当化され、[[変分法]]の直接法が発展することになった。[[ヘルマン・ワイル]]は正射影法として再定式化した。


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
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==関連項目==
==関連項目==
* [[ディリクレ]]
* [[ディリクレ]]
* [[ガウス]]
* [[カール・フリードリヒ・ガウス]]
* [[ベルンハルト・リーマン]]
* [[ベルンハルト・リーマン]]
* [[ワイエルシュトラス]]
* [[カール・ワイエルシュトラス]]
* [[ポアンカレ]]
* [[アンリ・ポアンカレ]]
* [[ヒルベルト]]
* [[ダフィット・ヒルベルト]]


* [[調和関数]]
* [[調和関数]]

2009年1月16日 (金) 13:09時点における版

ディリクレの原理(Dirichlet's Principle)とは、調和関数に関するディリクレ問題の解を、あるクラスの関数の中でディリクレ積分を最小にするものとして調和関数を発見する方法である。ディリクレ問題の解決方法でもっとも重要な一般的方法がディリクレの原理である。

鳩の巣原理もしばしばディリクレの原理と呼ばれることがあるが、英語版Wikipediaの項目が独立していることから、ディリクレの原理を調和関数での最小原理を指すものとする。)

ディリクレの原理は

の解を、次のディリクレ積分

を最小にするものを探すことで見つける方法である。

歴史

ベルンハルト・リーマンペーター・グスタフ・ディリクレと結びつけたことからディリクレの原理と呼ばれるようになったが、歴史的には、カール・フリードリヒ・ガウスの磁気の研究やウィリアム・トムソンペーター・グスタフ・ディリクレの物理学の研究に由来する。純粋数学への応用はリーマンによってはじめて行われた。彼は複素解析の基礎づけのためにこの原理を証明もなしに使用して、リーマン面上の関数の存在定理を証明したが、後にカール・ワイエルシュトラスによってギャップが指摘された。その後、ダフィット・ヒルベルトが再定式化したことで、ディリクレの原理は正当化され、変分法の直接法が発展することになった。ヘルマン・ワイルは正射影法として再定式化した。

参考文献

  • 日本数学会 『岩波数学辞典(第3版)』 岩波書店、1985年。ISBN 4000800167

関連項目