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'''回勅'''('''かいちょく''')とはローマ・[[カトリック教会]]の公文書のひとつ。[[ローマ教皇]]から全世界のカトリック教会の[[司教]]にあてられるかたちで書かれる文書で、道徳や教えの問題についての教皇の立場を示すものである教義を決定するものではない。通常[[ラテン語]]版がつくられ、そこに各国語の翻訳がつくというかたちで公布される。タイトルはラテン語本文の最初の数単語からとられる。古代においては司教の出す文書のことをさしたが、7世紀以降教皇文書を指すようになった。
'''回勅'''('''かいちょく''')とはローマ・[[カトリック教会]]の公文書のひとつ。[[ローマ教皇]]から全世界のカトリック教会の[[司教]]にあてられるかたちで書かれる文書で、道徳や教えの問題についての教皇の立場を示すものであるが、教義を決定するものではない。通常[[ラテン語]]版がつくられ、そこに各国語の翻訳がつくというかたちで公布される。タイトルはラテン語本文の最初の数単語からとられる。古代においては司教の出す文書のことをさしたが、7世紀以降教皇文書を指すようになった。


== 近代以降の重要な回勅 ==
== 近代以降の重要な回勅 ==
タイトルのあとに、タイトルの意味、発布された年、主な内容を示す。
*[[レオ13世]]
*[[レオ13世]]
**『レールム・ノヴァールム』(労働者の境遇)([[1891年]])
**『レールム・ノヴァールム』(新しきことがら、[[1891年]]) カトリック教会が初めて社会問題に取り組んだ記念碑的回勅
*[[ピウス12世]]
*[[ピウス12世]]
**『クアドラジェジモ・アンノ』(上記回勅40周年記念)([[1931年]])
**『クアドラジェジモ・アンノ』(40周年記念に、[[1931年]]) 『レールム・ノヴァールム』40周年、社会問題について
*[[ヨハネ23世]]
*[[ヨハネ23世]]
**『マーテル・エト・マジステラ』([[1961年]])
**『マーテル・エト・マジステラ』(母にして教師、[[1961年]]) 『レールム・ノヴァールム』70周年、社会問題について
**『パーチェム・イン・テリス』(地上の平和)([[1963年]])
**『パーチェム・イン・テリス』(地上の平和[[1963年]]) 世界平和について
*[[パウロ6世 (ローマ教皇)|パウロ6世]]
*[[パウロ6世 (ローマ教皇)|パウロ6世]]
**『ポプロールム・プログレシオ』(諸民族の進展)([[1967年]])
**『ポプロールム・プログレシオ』(諸民族の進展[[1967年]]) 開発に伴う問題について
**『フマーネ・ヴィテ』(人間の命、産児調節について)([[1968年]])
**『フマーネ・ヴィテ』(人間の命、[[1968年]]) 産児調節について
*[[ヨハネ・パウロ2世]]
*[[ヨハネ・パウロ2世]]
**『レデンプトーリス・マーテル』([[1987年]])
**『レデンプトーリス・マーテル』(救い主の母、[[1987年]]) 聖母マリアについて
**『ヴェリターティス・スプレンドール』([[1993年]])
**『ヴェリターティス・スプレンドール』(真理の輝き、[[1993年]]) 道徳倫理問題について 
**『エヴァンジェリウム・ヴィテ』(いのちの福音)([[1995年]])
**『エヴァンジェリウム・ヴィテ』(いのちの福音[[1995年]]) 生命倫理について


教皇の名前で出される文書は'''回勅'''以外に、'''使徒的勧告'''、'''使徒的書簡'''がある。
教皇の名前で出される文書は'''回勅'''以外に、'''使徒的勧告'''、'''使徒的書簡'''がある。

2005年3月29日 (火) 00:18時点における版

回勅かいちょく)とはローマ・カトリック教会の公文書のひとつ。ローマ教皇から全世界のカトリック教会の司教にあてられるかたちで書かれる文書で、道徳や教えの問題についての教皇の立場を示すものであるが、教義を決定するものではない。通常ラテン語版がつくられ、そこに各国語の翻訳がつくというかたちで公布される。タイトルはラテン語本文の最初の数単語からとられる。古代においては司教の出す文書のことをさしたが、7世紀以降教皇文書を指すようになった。

近代以降の重要な回勅

タイトルのあとに、タイトルの意味、発布された年、主な内容を示す。

  • レオ13世
    • 『レールム・ノヴァールム』(新しきことがら、1891年) カトリック教会が初めて社会問題に取り組んだ記念碑的回勅
  • ピウス12世
    • 『クアドラジェジモ・アンノ』(40周年の記念に、1931年) 『レールム・ノヴァールム』40周年、社会問題について
  • ヨハネ23世
    • 『マーテル・エト・マジステラ』(母にして教師、1961年) 『レールム・ノヴァールム』70周年、社会問題について
    • 『パーチェム・イン・テリス』(地上の平和、1963年) 世界平和について
  • パウロ6世
    • 『ポプロールム・プログレシオ』(諸民族の進展、1967年) 開発に伴う問題について
    • 『フマーネ・ヴィテ』(人間の生命、1968年) 産児調節について
  • ヨハネ・パウロ2世
    • 『レデンプトーリス・マーテル』(救い主の母、1987年) 聖母マリアについて
    • 『ヴェリターティス・スプレンドール』(真理の輝き、1993年) 道徳倫理問題について 
    • 『エヴァンジェリウム・ヴィテ』(いのちの福音、1995年) 生命倫理について

教皇の名前で出される文書は回勅以外に、使徒的勧告使徒的書簡がある。

関連項目

外部リンク