「費用」の版間の差分

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[[企業会計]]において、費用とは、経済的価値の減少のことをいう。逆に、[[収益]]とは経済的価値の増加のことをいう。[[損益計算書]]において、収益から費用を差し引いた額を利益(マイナスの場合は損失)という。
[[企業会計]]において、費用とは、経済的価値の減少のことをいう。逆に、[[収益]]とは経済的価値の増加のことをいう。[[損益計算書]]において、収益から費用を差し引いた額を利益(マイナスの場合は損失)という。


通常、費用は金銭の支出を伴うため、金銭の支出と同時に計上される。しかし、[[減価償却費]]のように金銭の支出を伴わない費用もある。このため、損益計算書によって示される利益と[[キャッシュフロー計算書]]によって示される現金収支は一致しない。
通常、費用は金銭の支出を伴うため、金銭の支出と同時に計上される。しかし、[[減価償却費]]のように金銭の支出を伴わない費用もある。このため、損益計算書によって示される利益と[[キャッシュフロー計算書]]によって示される現金収支は一致しない。


==関連事項==
==関連事項==

2007年1月22日 (月) 03:36時点における版

費用ひよう cost、コスト)とは、生産や取引などの経済活動に伴って支払う金銭である。費用は、適用範囲などの違いから様々な形で記述される。

費用の分類

基本概念

  • 総費用 (total cost) : 生産に伴って必要になる費用の総額
  • 平均費用 (average cost) : 総費用を生産量で割ったもの。生産物1単位あたりの費用
  • 限界費用 (marginal cost) : 生産量を追加的1単位増加させた時の総費用の増加分
  • 機会費用 (opportunity cost): ある経済活動に対して、選択されなかった最善の選択肢を選んだ時に得られる価値。

ある人が1時間当たり3,000円の仕事を依頼されたにもかかわらず、昼寝をしたとしよう。機会費用を無視した場合、昼寝の費用はゼロ円である。実際に金銭の支払いは存在しないからである。しかし、昼寝の機会費用は1時間当たり3,000円である。この所得を得る機会を犠牲にしているからである。

理論的な経済学においては、断り書きがない場合の費用とは機会費用を指すことが多い。

固定費用と変動費用

  • 固定費用 (fixed cost) : 生産量の水準に関わらずかかる費用。例えば、土地代など。
  • 変動費用(可変費用) (variable cost) : 生産量の変化に伴って変動する費用。例えば、原材料費など。

短期と長期

  • 短期の費用: ある生産要素が固定的である場合の費用。
  • 長期の費用: すべての生産要素が可変的である場合の費用。

不可逆性

  • 埋没費用 (sunk cost) : 支払ってしまい取り返せない費用。例えば、入場後の映画チケット代など。

私的費用、外部費用と社会的費用

  • 私的費用 (private cost) : 買い手が売り手に支払う費用。
  • 外部費用 (external cost) : 外部性を費用として見たもの。外部経済は負の費用(正の便益)、外部不経済は正の費用となる。
  • 社会的費用 (social cost) : 私的費用と外部費用の和。
  • 精神的費用 (psychic cost): 一種の社会的費用で、特にストレスや生活の質の損失に伴う費用。

その他

会計上の費用

企業会計において、費用とは、経済的価値の減少のことをいう。逆に、収益とは経済的価値の増加のことをいう。損益計算書において、収益から費用を差し引いた額を利益(マイナスの場合は損失)という。

通常、費用は金銭の支出を伴うため、金銭の支出と同時に計上される。しかし、減価償却費のように金銭の支出を伴わない費用もある。このため、損益計算書によって示される利益とキャッシュ・フロー計算書によって示される現金収支は一致しない。

関連事項