小胞小管クラスター
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小胞小管クラスター(しょうほうしょうかんクラスター、英: Vesicular-tubular cluster、略称: VTC)または小胞体-ゴルジ体中間区画(英: ER-Golgi intermediate compartment、略称: ERGIC)は、真核細胞中の細胞小器官(オルガネラ)である。この区画は小胞体(ER)とゴルジ複合体との間の物質輸送を媒介し、積荷の仕分けを手助けしている[1]。1988年にERGIC-53と命名されたタンパク質に対する抗体を用いて最初に同定された[2]。
ほ乳類では、小胞体の出口部位(exit site)から出芽したCOPII小胞が被覆を失い、融合して小胞小管クラスター(VTC)が形成される。COPI小胞における回収(または逆行性)輸送は失われた小胞体タンパク質の多くを小胞体へと戻す。前方(または順行性)輸送はVTC内容物をシス・ゴルジ網(ゴルジ複合体の受け取り面)へと移動させる。この過程は2つの過程の1つによって起こると考えられている。1つは槽成熟(cisternal maturation)と呼ばれる、VTCが単純にシス・ゴルジ網へと成熟する過程である。もう1つの過程では、COPI小胞輸送が微小管に沿ったVTCの移動を介してVTC材料をゴルジ装置の受け取り面へと移す。両方の過程について証拠が存在し、細胞中では両方の過程が同時に起こっているのかもしれない。
出典
[編集]- ^ “The ER-Golgi intermediate compartment (ERGIC): in search of its identity and function”. J. Cell Sci. 119 (Pt 11): 2173–83. (June 2006). doi:10.1242/jcs.03019. PMID 16723730.
- ^ “Identification, by a monoclonal antibody, of a 53-kD protein associated with a tubulo-vesicular compartment at the cis-side of the Golgi apparatus”. J. Cell Biol. 107 (5): 1643–53. (1988). doi:10.1083/jcb.107.5.1643. PMC 2115344. PMID 3182932 7 April 2017閲覧。.