中本由美子

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中本由美子編集長 近影

中本由美子(なかもとゆみこ)は1970年生まれ[1][2]。月刊雑誌 あまから手帖(クリエテ関西)4代目編集長[2][1]

1997年からあまから手帖 編集部に入り、編集歴は24年となる(2020年11月現在[3])。2001年に一旦フリーランスとなり、2010年に請われて復帰、編集長に就任した[3][2][1]。歴代編集長のなかで、最年少・最長の編集長である。ムック「小宿遊び」の編集に3年間携わったのが編集者としてのターニングポイントになったという(下記)[2]

あまから手帖は、2019年11月で創刊35年を迎えた[4]。名古屋出身。青山学院大学卒業。好物は寿司と和食、超日本酒党[1]

あまから手帖の編集方針として、中本は以下のように語っている「創刊以来の編集方針は「実際に食べた店のみを掲載する」。現在も約30人の編集者やフリーライターが素性を明かさずに店を訪ね、味や接客態度などを確認し、掲載したい店のみ改めて取材を申し込む。こうした取材姿勢が読者らとの信頼関係を育んできた[4]

2021年11月末をもって、あまから手帖編集長を卒業し統括部長・メディア部長に就任、あまから手帖和食専用ウスのマガジン、WATOBI編集長に専念することとなる。

連載[編集]

他の雑誌等にも数多く連載記事を書いている。

  • 産経新聞夕刊連載(2020年 第四木曜):地の酒礼賛 

編集者時代の担当書籍[編集]

エピソード[編集]

  • 「小宿遊び」の編集に携わったことが大きなターニングポイントになった[2](関西ウーマンの記事より抜粋)

インタビュアー:『あまから手帖』退職後、フリーエディターを経て、編集長へ戻られました。それまでのターニングポイントを教えて下さい。

中本由美子:2000年〜2004年は、主人の転勤に伴い四国・松山へ。そこで『小宿あそび』というムック本の制作に携わりました。言葉ととことん向き合った楽しい体験でした。私にとって公私のバランスが一番良い時代で、45軒の宿を約三年かけて泊まり歩き、撮影して記事にしていきました。一軒一軒、宿を訪ねる中で、この宿にはどんなことばが似合うだろうかと、ライターさんやカメラマンさんと話し合うのですが、自分のボキャブラリーが足りないことを痛感していきました。文法や「てにをは」はしっかりしていましたが、語彙力がある方ではなかったので、ライターさんとカメラマンさんの使うことばがわからず、蚊帳の外になっているのを感じていました。

今と違ってすぐにスマホで調べられる時代ではなかったので、わからない言葉はメモして、帰ってすぐに辞書で調べたり、類義語辞典を片手に別のことばや表現を模索しました。たとえば、「趣がある」を別の言い方に置き換えると、風雅、情緒、妙趣とか。どれが向いているだろうというように積み重ね、類義語辞典を暗記するような感覚でしたね。その積み重ねもあり、言葉のボキャブラリーはライターさんにはかなわないけど、思いつくスピードが速いといってもらえるようになり、どんどん自信が付いていきました。

この「小宿あそび」は、章立てを漢字一文字で表現するということに決め、1週間くらいかけて、それぞれの宿、それぞれの章に最もふさわしい一文字を選出していきました。この仕事が、言葉に対する考えを変えてくれました。本当に贅沢な本作りの3年間でした。

  • 編集長になった経緯など(関西ウーマンより転載)[2] 2005年主人の名古屋転勤に伴い、名古屋へ。フリーとして、フードに関わるコーディネートやメニュー開発などのほか、名古屋や東京の雑誌の仕事を多く抱えこみ、2008年、ついに体が悲鳴を上げて、ダウン。そんな折、『あまから手帖』から編集長になって帰ってこないかという声が掛かります。 名古屋なので無理だと一旦お断りしましたが、週3日で来てくれといわれ、名古屋から通うことでお受けすることにしたんです。フリーの間にさまざまな媒体を経験しましたが、『あまから手帖』の編集内容は群を抜いたものでした。また、『あまから手帖』の読者層は40〜50歳代。26才で入社したときは、14年掛かると思っていましたが、やっとその世代になってきて、等身大で作れる!という思いもあり、2009年編集長に就任しました。現在は、主人にも理解をいただき、2010年から大阪で一人暮らし。週末に名古屋へ帰る生活を続けています。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d やっぱり雑誌が好き。第2冊:『あまから手帖』編集長・中本由美子さん|No Meets”. No Meets. 2020年11月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 関西で暮らす・働く女性が発信するライフスタイルコミュニティ「関西ウーマン」”. 関西ウーマン. 2020年11月4日閲覧。
  3. ^ a b 関西食文化研究会 サイドテーブル”. 関西食文化研究会. 2020年11月4日閲覧。
  4. ^ a b INC, SANKEI DIGITAL (2019年11月21日). “関西の「食」紹介 「あまから手帖」が創刊35年 テーマ深掘り主義徹底で部数増”. 産経ニュース. 2020年11月4日閲覧。

外部リンク[編集]