コロンビア女子サッカーリーグ

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Liga BetPlay Dimayor Femenina
加盟国 コロンビア
大陸連盟 CONMEBOL
創立 2017
参加クラブ 17
リーグレベル 第1部
国際大会 コパ・リベルタドーレス・フェメニーナ
最新優勝クラブ サンタフェ (3回目) (2023)
最多優勝クラブ サンタフェ
(3回)
テレビ局 Win Sports
公式サイト Official Site
2024

コロンビア女子プロサッカーリーグスペイン語: Liga Femenina Profesional de Fútbol Colombiano, 英語: Colombian Professional Women's Football League)は、コロンビア最上位カテゴリーの女子サッカーリーグである。

概要[編集]

コロンビア女子プロサッカーリーグはコロンビアのプロサッカー運営組織であるディマジョールが主催する国内唯一の女子プロサッカーリーグである。2017年に創立され当時18チームが参加した。優勝と準優勝チームはクラブチームによる南米大陸選手権大会であるコパ・リベルタドーレス・フェメニーナ[1]への出場権を得る。

大会の名称[編集]

創立年からアギラ・ビールで知られる飲料メーカー、ババリアが冠スポンサーを務めており大会の正式名称は「リーガ・アギラ・フェメニーナ」である。国内では一般に「リーガ・フェメニーナ(女子リーグ)」と呼ばれる。

創立の歴史[編集]

コロンビアの女子サッカーは2008年まで地方アマチュアリーグのみでプレーされていた。2009年のコパ・リベルタドーレス・フェメニーナ創立に伴いコロンビアサッカー協会は出場チーム(当時1枠)を決めるための全国大会コパ・プレリベルタドーレスの開催を決定。優勝チームに出場権を与えた。フォルマス・インティマスに代表されるコパ出場チームはアマチュアながらも、当時すでにプロ化されていたブラジルやアルゼンチンのチームを破り2013年大会では準優勝を果たすなど結果を残した。2015年にはコパ・リベルタドーレス・フェメニーナが自国開催され、女子サッカーへの注目がさらに高まった。これを受け、2016年にはDifútbol(コロンビア・アマチュアサッカー協会)がカンペオナート・ナシオナル・デ・フットボル・フェメニーノ(全国女子サッカー大会)を開催。40チーム以上が参加し翌年のプロリーグ創立の下地となった[2]

2017年にディマジョールの承認を得て、コロンビア史上初めての女子プロサッカーリーグが創立された。ディマジョールの審査を通った18チームが参戦した。翌年の2018年から二部リーグを設立する計画があったが、のちにキャンセルされた。この全国女子リーグの設立により、コロンビアは2023年FIFA女子ワールドカップへの立候補権を得た[3]

大会形式[編集]

参加チームの増減に伴い大会形式は2017年の創立から毎年変更がなされている。基本的には地理的に近接する4-6チームでグループステージを戦い、上位チームが第2ステージであるトーナメント戦へ進出するという形をとっている。グループステージはホーム&アウェイの総当たり戦を2-3ヶ月間かけて行う。決勝トーナメントもホーム&アウェイで戦い、これは決勝ラウンドも同様である。1年間に2シーズンを戦う男子リーグと異なり、女子リーグは一年に1シーズンのみ開催される(通常2月ー6月)。優勝チームにはCONMEBOL主催のコパ・リベルタドーレス・フェメニーナへの出場権が与えられる(2019年から2枠となり準優勝チームも出場できるようになった)。またシーズン終了後にはスペインリーグ優勝チームとの親善試合が組まれるのが慣例である。

2017シーズン[編集]

リーグ創設の年となった2017年、参加する18チームは6チームからなる3つのグループに分けられた。ホーム&アウェイ形式でグループ内の各チームと2度ずつ対戦したのち、各グループの上位2名と3位の上位2チームが決勝トーナメントへ出場。決勝トーナメントも同様にホーム&アウェイで行われた。 リーグは2月に開始され、6月の決勝戦でサンタ・フェがアトレティコ・ウイラを下し最初のリーグ覇者となった。

2018シーズン[編集]

2018年シーズンは前年から5チーム増えた計23チームで行われた。6チームからなる3つのグループと5チームからなる1つのグループに分けられ、上位2チームが決勝トーナメントへ出場[4]。決勝戦では前年準優勝のアトレティコ・ウイラがアトレティコ・ナシオナルをPK戦で下し初優勝を飾った。アトレティコ・ウイラは出場したコパ・リベルタドーレス2018でブラジルのサントスに勝利し、コロンビア勢として初めての優勝を手にした[5]

2019シーズン[編集]

コロンビア女子代表U-17でのセクハラ・スキャンダルや財政難を理由に一時キャンセルの危機にあったが、選手委員会の設置などもあり結局20チームで開催された。この年から国際大会(コパ・リベルタドーレス、コパ・スダメリカ)を戦う男子プロリーグチームはディマジョールによって女子チームの設立が義務化された。ミジョナリオス、インデペンディエンテ・メデジン(フォルマス・インティマスとの合同チーム)、オンセ・カルダス、デポルティボ・カリの4チームが新たに参戦。またこの年からコロンビアのコパ・リベルタドーレス・フェメニーナの枠が拡大され、優勝と準優勝の2チームが参戦権を得ることになった。アメリカ・デ・カリがインデペンディエンテ・メデジンを決勝で下し初優勝を達成した[6]。決勝戦は33000人の観衆を集めた[7]

過去大会の決勝ラウンド[編集]

シーズン 優勝 スコア 準優勝
2017[8] サンタ・フェ (1) 2-1, 1-0 アトレティコ・ウイラ
2018[9] アトレティコ・ウイラ (1) 0-1, 2-1 (3-0 p) アトレティコ・ナシオナル
2019 アメリカ・デ・カリ (1) 2-0, 1-2 インデペンディエンテ・メデジン
2020 サンタ・フェ (2) 2-1, 2-0 アメリカ・デ・カリ
2021 デポルティーボ・カリ (1) 4-1, 2-2 サンタ・フェ
2022 アメリカ・デ・カリ (2) 1-2, 3-1 デポルティーボ・カリ

備考[編集]

・ディマジョールは2020年、女子リーグへ14億ペソの予算を用意すると発表した[10]

・リーグのメインスポンサーになるには25億から30億ペソ、セカンダリースポンサーには5億から15億ペソ程度の貢献が必要である。リーグの継続には最低でも2社のメインスポンサー、3-4社のセカンダリースポンサーが必須であるとされる[11]

・2020年7月、コロンビア政府とスポーツ省はコロナウイルス流行に伴うリーグの財政難を受け、14億ペソの援助を約束した[12]

・選手の給与は月換算で100万ペソ(3万円)から300万ペソ(9万円)と推定されている。シーズンが極端に短いこともあり(グループステージで敗退すれば3ヶ月程度)多くの選手がピッチ外の仕事で生計を立てている[13]

脚注[編集]

外部リンク[編集]