オクルパッド

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オクルパッド本体の画像(画面はハメコミ合成)
オクルパッドに付属する偏光グラスとブロック
オクルパッドの利用イメージ(右眼が弱視眼の場合、このように右眼のみ画面を閲覧できる。指・周辺視野・ブロックなどについては両眼視が維持される)

オクルパッド(英語表記:Occlu-Pad)はタブレット型の視機能検査訓練装置で、主に小児の弱視(Amblyopia)の治療・訓練に用いられる。

構成[編集]

オクルパッド(タブレット)本体、専用メガネ(右眼訓練用、左眼訓練用、各1セット)、タンジブロック(タッチパネル操作用のブロック)、及び付属品によって構成される。

原理[編集]

「ホワイトスクリーン」と呼ばれる加工技術により、液晶ディスプレイ(LCD)の画面を肉眼では見えないように加工、専用の特殊偏光メガネを介して覗くことで、患眼(弱視の目)のみに元通りの画面を提示する。

これによってアイパッチをすることなく、両眼を開けた状態(両眼開放下)で、患眼(弱視の目)のみにタブレット画面の刺激を与える。

オクルパッド本体(タブレット)には予め弱視訓練に特化した10種類のゲームがプリインストールされており、上述のメガネを掛けてゲームで遊ぶことにより、小児が楽しみながら弱視訓練することを狙う。

特徴[編集]

周辺視野(タブレットの周囲)や患者の手とその動きについて両眼視を保っており、患眼にのみ映像刺激を与えることで、アイパッチ等による遮閉を行わない点が特徴とされている。

この他にタンジブロックと呼ばれるプラスチック製のブロック(コト社のDigiShot)が同梱されており、タッチパネルを操作するためのドングルとして機能する。指先がまだ小さく、タブレットがうまく扱えない小児であっても、タンジブロックによりゲームで遊べるよう工夫している点が特徴とされる。

効果[編集]

従来の片眼遮閉よりも、視力改善効果が優位になるとの報告がある。

利用できる場所[編集]

医科向けのクラス1医療機器であり一般向けの販売はされていない。 導入されている病院・クリニックにおいて、医師または視能訓練士等の指導下で利用する。

脚注[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]

ヤグチ電子工業株式会社(製造メーカー、宮城県石巻市)