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那智参詣曼荼羅(熊野那智大社蔵)

社寺参詣曼荼羅(しゃじさんけいまんだら、または寺社参詣曼荼羅〈じしゃさんけいまんだら〉、参詣曼荼羅〈さんけいまんだら〉とも)とは、参詣者の勧誘と霊場案内を目的として霊場神社寺院)を描いた宗教的絵画を指す学術用語。作例の多くは紙本著色の形式による素朴かつ安価な絵画で、勧進活動のために持ち運ばれた形跡を残している。歴史的な起源としていくつかのカテゴリーの絵画を指摘することができる。その成立には、戦国時代以後、権力の保護に依存しえなくなった寺社が、本来は寺社外部の存在である本願に勧進活動を委ねたという背景があり、勧進活動の手段の一つとして使用された。参詣曼荼羅には、先行する絵画のいずれにも還元しえない、独自の空間構成が備わっている。その作成を企図した作成主体は、西国三十三所を中心とする寺社の本願である。三十三所寺院を描いた作例には様式や人物図像において、それ以外の作例とは区別される共通性が見られる。そうした共通性は、これらの参詣曼荼羅がいくつかの工房によって作成され、また、それらの工房が定型の確立を主導したためであった。しかし、それぞれの寺社や霊山の事情に即して、絵図がどのように作成され、使用されたかは一様ではなく、そうした相違は時には構図にも反映された。参詣曼荼羅は遅くは19世紀まで作成されたが、成立の背景にあった寺社経済が近世において回復を示したことにより、本願とともに参詣曼荼羅もそのあり方を変容させた。・・・全部読む