T2Kオープンスパコン
T2Kオープンスパコン(ティ・ツウ・ケー オープンスパコン)とは、筑波大学、東京大学及び京都大学の頭文字を取った、グリッド型のスーパーコンピュータのこと。2008年から運用を開始し、2014年に終了した[1][2]。
概要
[編集]名称由来からすると、相互接続されているような印象を与えるが、実際には各大学内のキャンパスネットワーク上に構築されているため、別々のコンピュータとして稼動している。
筑波大学の場合には、筑波大学全学ネットワークと旧図書館情報大学内ネットワーク上に構築されている。東京大学の場合には、駒場地区キャンパス内ネットワーク、弥生地区・本郷地区・浅野地区キャンパス内ネットワーク、柏地区キャンパス内ネットワーク上に構築されている。京都大学の場合には、吉田キャンパス内ネットワーク、宇治キャンパス内ネットワーク、桂キャンパス内ネットワーク上に構築されている。
3大学共通仕様について
[編集]コンピュータシステムの調達コストを下げるために、3大学共通仕様を作成して調達を行ったスパコンである。仕様は、ハードウェアーキテクチャのオープン性、システムソフトウェアのオープン性、ユーザ・ニーズに対するオープン性という3つの理念に基づいて作成された。
- 基本アーキテクチャのオープン性
- 従来のセンター型の大型スーパーコンピュータでは、調達から運用終了までの期間に性能向上が図れない。そこでHPC専用の特殊な部品は排除し、現在の技術市場から入手可能なデバイスを用いることにより、時代に合わせた性能向上をはかれるようにしている。
- システムソフトウェアのオープン性
- ユーザ・ニーズに対するオープン性
- 教員及び学生が共通して利用できる全学情報ネットワーク構築の一環として構築。
性能概要
[編集]東京大学 | 筑波大学 | 京都大学 | ||
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メーカー | 日立 | Appro | 富士通 | |
2008-6 | 理論ピーク性能 | 113.0 TFLOPS | 92.0 TFLOPS | 61.2 TFLOPS |
TOP500測定値[3] | 83.0 TFLOPS(17位) | 76.5 TFLOPS(21位) | 50.5 TFLOPS(35位) | |
2009-11 | 理論ピーク性能 | 139.0 TFLOPS | 95.4 TFLOPS | 変更なし |
TOP500測定値[4] | 101.7 TFLOPS(45位) | 77.3 TFLOPS(62位) | 変更なし(95位) |
由来
[編集]東京工業大学内に構築されているTSUBAMEや東京大学内に構築されているeMac及びWindows、Linuxサーバからなる実習用共通基盤コンピュータシステム構築の経験やGrid基盤システムの基本仕様としてGlobus2.0が策定されたことなどから、構築に踏み切った。
各大学毎の理論性能値が違うのは、ノードに接続されたコンピュータ数の違いだけである。
運用
[編集]各大学の情報共通基盤センターにて行っている。キャンパス間ネットワーク及びキャンパス内ネットワークは、共通仕様とするため、まだ完全な形での運用にはなっていない。
脚注
[編集]- ^ “HA8000クラスタシステム(T2Kオープンスパコン東大)” 2019年2月14日閲覧。
- ^ “スーパーコンピュータ T2K-Tsukuba 運用終了 - 筑波大学 計算科学研究センター” 2019年2月14日閲覧。
- ^ “TOP500 List - June 2008”. TOP500. 2019年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月3日閲覧。
- ^ “TOP500 List - November 2009”. TOP500. 2019年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月3日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- T2Kホームページ
- 東京大学情報基盤センター
- 京都大学学術情報メディアセンター
- Tsukuba Science News. “新スーパーコンピューター「T2K筑波」の運用を開始:筑波大学”. 2008年11月1日閲覧。