ソルトフィンガー
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ソルトフィンガー(英語: salt finger)とは、海水が上層で高温・高塩分、下層で低温・低塩分の状態にあるときに、その境界面の擾乱が発達していく現象である。
海水の密度は、低温・高塩分であるほど高い。また、水温と塩分の二重拡散は、水温のほうが分子拡散係数が大きいために速い。そのため、上層に高温・高塩分、下層に低温・低塩分の海水が存在し接したとき、境界面の下層側の低塩分水は速く温まって低密度となり、上向きの浮力を受け、上部にわずかに入った低塩分水は徐々に指状に上部に侵入していくようになる。境界面の上層側の高塩分水にも逆の現象が起こり、同じく指状に下部に落ちていくような対流が励起され、結果として両者の境界面の凹凸は発達し微細構造が生成される。
逆に上層で低温・低塩分、下層で高温・高塩分であった場合は安定過剰と呼ばれ、やはり微細構造が生じる。
参考文献
- 柳哲雄『沿岸海洋学』恒星社厚生閣、2001年、109頁。ISBN 4-7699-0954-3。