自由亭ホテル

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自由亭ホテル(じゆうていホテル)

創業者の草野丈吉(くさの じょうきち、1840年[1] - 1886年[1])は、長崎出島に所在するオランダ商館で修行した後[1]、同地で日本初の洋食店を始めた人物として知られ、1868年五代友厚の招きで大阪川口居留地の外国人止宿所の司長に任命後、独立して1870年に川口与力町で「欧風亭ホテル」を開業、翌年、梅本町で自由亭ホテルを開いた[2]。当時ロシア皇太子であったアレクサンドル・アレクサンドロヴィチ(後のアレクサンドル3世)や明治天皇の晩餐会に使用されるなど、大阪の迎賓館的な存在となり、1881年中之島に支店を出し、隣接する温泉場・料亭を買い取り本店を吸収、「大阪ホテル」の名で大きく発展させた[2][3]1886年に丈吉が没して以降は長女・錦が経営を引き継いだが、1898年大阪倶楽部に売却した(1901年に全焼)[2][3]

脚注[編集]

  1. ^ a b c デジタル版 日本人名大辞典+Plus(講談社)『草野丈吉』- コトバンク
  2. ^ a b c 大阪初の洋式ホテルの起源とその推移──自由亭ホテルの供給目的と存在意義の研究廣間準一、大阪観光大学観光学研究所年報『観光研究論集』第14号
  3. ^ a b 大阪ホテル(1)長崎大学附属図書館