「感度と特異度」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
Ahashimoto (会話 | 投稿記録)
9行目: 9行目:
なお、検査に限らず、「Bという症状は、Aという疾患に'''特異的'''だ(特異度が高い)」という言い方をすることが可能である。この場合の意味は、「Bという症状があれば、Aという病気がないのに誤ってAであると診断してしまう可能性が低い」という意味、すなわち「Bという症状があればAを強く疑ってよい」という意味で使われることが多く、逆に言えば「Bという症状がないからAという病気はない可能性が高い」と言っているわけではない。厳密にはこのような文脈で言う特異度とは'''陽性予測度'''であり、こういう文脈で使われる特異性・特異度は、検査における特異度の概念とは異なっている。
なお、検査に限らず、「Bという症状は、Aという疾患に'''特異的'''だ(特異度が高い)」という言い方をすることが可能である。この場合の意味は、「Bという症状があれば、Aという病気がないのに誤ってAであると診断してしまう可能性が低い」という意味、すなわち「Bという症状があればAを強く疑ってよい」という意味で使われることが多く、逆に言えば「Bという症状がないからAという病気はない可能性が高い」と言っているわけではない。厳密にはこのような文脈で言う特異度とは'''陽性予測度'''であり、こういう文脈で使われる特異性・特異度は、検査における特異度の概念とは異なっている。
一般的には、感度が高いと除外診断(rule out)に有用であり、特異度が高いと[[確定診断]]に有用である。
一般的には、感度が高いと除外診断(rule out)に有用であり、特異度が高いと[[確定診断]]に有用である。
===参考===
感度,特異度,陽性適中率,陰性適中率については,以下の表を参考にされたい.


{| class="wikitable" align="center" style="text-align:center; border:none; background:transparent;"
|colspan="2" rowspan="2" style="border:none;"|
|colspan="2" style="background:#eeeebb;"|'''真の状態<br />(生検などの詳細検査の結果で決定)'''
|-
|style="background:#ffffcc;"|陽性
|style="background:#ddddaa;"|陰性
|-
|rowspan="2" style="background:#bbeeee;"|'''検査<br />結果'''
|style="background:#ccffff;"|陽性
|style="background:#ccffcc;"|<span style="color:#006600;">'''真陽性'''</span>
|style="background:#eedddd;"|<span style="color:#cc0000;">'''偽陽性'''</span><br />(第Ⅱ種の過誤)
|style="background:#ccffff;"|[[陽性適中率]] =<br /> 真陽性の数<div style="border-top:1px solid;"> &nbsp;&nbsp;検査陽性の数</div>
|-
|style="background:#aadddd;"|陰性
|style="background:#eedddd;"|<span style="color:#cc0000;">'''偽陰性'''</span><br />(第Ⅰ種の過誤)
|style="background:#bbeebb;"|<span style="color:#006600;">'''真陰性'''</span>
|style="background:#aadddd;"|[[陰性適中率]] =<br />真陰性の数<div style="border-top:1px solid;">&nbsp;検査陰性の数</div>
|-
|colspan="2" style="border:none;" |
|style="background:#ffffcc;"|[[感度]] =<br />真陽性の数<div style="border-top:1px solid;">本当に陽性の人の合計</div>
|style="background:#ddddaa;"|特異度 =<br />真陰性の数<div style="border-top:1px solid;">本当に陰性の人の合計</div>
|}


==関連項目==
==関連項目==

2012年7月6日 (金) 00:52時点における版

特異度(とくいど)とは、臨床検査の性格を決める指標の1つで、ある検査について「陰性のものを正しく陰性と判定する確率」として定義される値である。

概要

特異度が高い、とは、「陰性のものを正しく陰性と判定する可能性が高い」、あるいは「陰性のものを間違って陽性と判定する可能性が低い」という意味である。

対となる表現に感度(敏感度)があるが、特異度は感度との兼ね合いで決まるため、必ずしも特異度のひたすら高い検査が良いとは言えない。(この議論については感度参照

なお、検査に限らず、「Bという症状は、Aという疾患に特異的だ(特異度が高い)」という言い方をすることが可能である。この場合の意味は、「Bという症状があれば、Aという病気がないのに誤ってAであると診断してしまう可能性が低い」という意味、すなわち「Bという症状があればAを強く疑ってよい」という意味で使われることが多く、逆に言えば「Bという症状がないからAという病気はない可能性が高い」と言っているわけではない。厳密にはこのような文脈で言う特異度とは陽性予測度であり、こういう文脈で使われる特異性・特異度は、検査における特異度の概念とは異なっている。 一般的には、感度が高いと除外診断(rule out)に有用であり、特異度が高いと確定診断に有用である。

参考

感度,特異度,陽性適中率,陰性適中率については,以下の表を参考にされたい.


真の状態
(生検などの詳細検査の結果で決定)
陽性 陰性
検査
結果
陽性 真陽性 偽陽性
(第Ⅱ種の過誤)
陽性適中率 =
真陽性の数
   検査陽性の数
陰性 偽陰性
(第Ⅰ種の過誤)
真陰性 陰性適中率 =
真陰性の数
 検査陰性の数
感度 =
真陽性の数
本当に陽性の人の合計
特異度 =
真陰性の数
本当に陰性の人の合計

関連項目