「98ローカルバス」の版間の差分

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|PC-9821A-E01||ウンドアクセラレータA || [[S3 Graphics|S3]] 86C928搭載。ビデオメモリー1MB固定。
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|PC-9821A-E02||98ハイレゾボード||PC-9821シリーズでPC-98RL互換のハイレゾモードを使用可能にするボード。対応機種であるPC-9821Ae/As/Ap/Afの本体内蔵パラレルポートが14ピンのもの<ref>接続されたプリンタなどのデバイスは1ビットのbusy信号をPC側に返すのみで、インテリジェントな通信機能に対応しない。簡易セントロニクスモードで動作する。</ref>でハイレゾ機に内蔵の36ピンのもの<ref>フルセントロニクス動作に対応する。なお、PC-H98では周辺機器側からPC本体にデータを送信することも可能な双方向通信対応に拡張されていた。この機能はWindowsでプリンタとの双方向通信機能が要求されるようになったことなどから、PC-9821As2/Ap2以降の機種でやや機能を削減した上で標準搭載されている。</ref>の下位互換であったことから、RGB入出力端子以外にハイレゾモードでのフルセントロニクス動作に対応するパラレルポートを備える。
|PC-9821A-E02||98ハイレゾボード||PC-9821シリーズでハイレゾモードを使用可能にするボード。
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|PC-9821A-E08||ビデオキャプチャボードA|||98ローカルバス唯一の[[キャプチャ (録画ソフト)#ハードウェア|ビデオキャプチャボード]]。
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|PC-9821A-E09||フルカラーウィンドウアクセラレータボードA||[[S3 Graphics|S3]] 86C928搭載。ビデオメモリー2MB。PC-9821A-E01のメモリー拡大版。NEC純正品で唯一ビデオメモリーの増設に対応しており最大4MBにすることができた。
|PC-9821A-E09||フルカラーウィンドウアクセラレータボードA||[[S3 Graphics|S3]] 86C928搭載。ビデオメモリー2MB。PC-9821A-E01のメモリー拡大版。NEC純正品で唯一ビデオメモリーの増設に対応しており最大4MBにすることができた。
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|PC-9821A-E11||ウンドアクセラレータボードA2||[[Matrox]]のMGA-II(ATLAS)を搭載したボードで98ローカルバス最速クラスの1枚、特にテキスト表示、スクロールが高速だった。ただし、ビデオメモリは2MB固定で増設できず、高解像度多色表示環境での利用に難があった。
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2012年2月13日 (月) 23:16時点における版

98ローカルバス は、1993年に発売された、日本電気 (NEC) のPC-9821A-MateシリーズおよびSC-9821A[1]に搭載された32ビット高速バスである。ML(Mate Local)バスとも呼ばれ、このバスに対応した製品を発売したのはNEC自身と、カノープス(現グラスバレー)、メルコ(現バッファロー)、住友金属工業、サピエンスの4社だけである。

VLバスを移植したものという誤解があるが、こちらは電気的特性の点で有利なNESA用Eバスコネクタを使用し、クロック周波数にかかわらず2本までに制限されている関係から、電源や信号特性はVLバスと比較にならないほど良好である。

また、Pentiumを搭載した、PC-9821 Af/Anにも搭載されているが、Pentium機搭載の98ローカルバスはブリッジ変換を行っているため本来の性能を発揮できない。

規格

  • NESAのバス調停機能を簡略化、リソース自動設定機能を削除したサブセットで、ほぼ同一の信号線配列、同一のコネクタ、ボード形状を有するが、相互の互換性は無い。そのため、本バス規格に対応した拡張ボードでは、コネクタ部に当該ボードをNESAバススロットに挿すと故障する恐れがあるとする、警告シールが貼付されている。
  • 32ビットのアドレス空間、データバス幅を有する。
  • 25MHz、30MHz もしくは 33MHzで駆動され、133Mbytes/secの理論最大転送帯域を有する。
  • 奥行き17cm、幅15cmの長方形で、部品実装面の厚さは2.5cm迄が許容されている。
  • NESA同様、Cバススロットの間にコネクタを持ち、Cバスボードとの互換性は全くないものの同一拡張スロットを使用することが可能な構造になっている。
  • 筐体を開けずに抜き差しできるようにエッジ・コネクタには引き抜き用のレバーが装着されている。

販売された製品

NEC

型番 商品名 内容
PC-9821A-E01 ウィンドウアクセラレータボードA S3 86C928搭載。ビデオメモリー1MB固定。
PC-9821A-E02 98ハイレゾボード PC-9821シリーズでPC-98RL互換のハイレゾモードを使用可能にするボード。対応機種であるPC-9821Ae/As/Ap/Afの本体内蔵パラレルポートが14ピンのもの[2]でハイレゾ機に内蔵の36ピンのもの[3]の下位互換であったことから、RGB入出力端子以外にハイレゾモードでのフルセントロニクス動作に対応するパラレルポートを備える。
PC-9821A-E08 ビデオキャプチャボードA 98ローカルバス唯一のビデオキャプチャボード
PC-9821A-E09 フルカラーウィンドウアクセラレータボードA S3 86C928搭載。ビデオメモリー2MB。PC-9821A-E01のメモリー拡大版。NEC純正品で唯一ビデオメモリーの増設に対応しており最大4MBにすることができた。
PC-9821A-E11 ウィンドウアクセラレータボードA2 MatroxのMGA-II(ATLAS)を搭載したボードで98ローカルバス最速クラスの1枚、特にテキスト表示、スクロールが高速だった。ただし、ビデオメモリは2MB固定で増設できず、高解像度多色表示環境での利用に難があった。

カノープス

  • 高速なグラフィックボードのほか、業務用として高性能サウンドボードや多チャンネルA/D信号変換ボードなども製造販売していた。
商品名 内容
PowerWindow928GLB S3 86C928搭載。ビデオメモリー1MB。
PowerWindow928IILB S3 86C928搭載。ビデオメモリー2MB。
PowerWindow964LB S3 Vision964搭載。ビデオメモリー2MB搭載で専用の2MB増設モジュールを追加搭載することで最大4MBにビデオメモリを増やすことができた。本バス対応グラフィックボードとしては最速クラスの1枚。高解像度多色表示対応・高速描画・高画質と性能・機能のバランスが非常に良く絶大なる人気を誇り、しばらくはオークションでも高値で取引されていた。
ULTRA AUDIO ソニーATRAC音声圧縮伸張チップを搭載する業務用サウンドボード。16bit 44.1KHz ステレオPCM音声を約1/5にリアルタイム圧縮・伸張する機能を搭載する。
ADXM-LB 業務用多チャンネルA/D信号変換ボード。

メルコ

  • ビデオボードのみ。
商品名 内容
WSP-L メルコ唯一のLB製品。Weitek Power9000搭載。ビデオメモリー2MB。性能も特段良い訳ではなかったので人気も出なかった。

住友金属工業

  • ビデオボードのみ。Windows 95が出る前に撤退してしまったため、ほぼWindows 3.1専用ボードとして使われた。
商品名 内容
MGA98-3DH Matrox MGA(TITAN)搭載。ビデオメモリー3MB+Zバッファ2MB。
MGA98-3D Matrox MGA(TITAN)搭載。ビデオメモリー3MB+Zバッファ1MB。
MGA98-W3 Matrox MGA(TITAN)搭載。ビデオメモリー3MB。
MGA98-W2 Matrox MGA(TITAN)搭載。ビデオメモリー2MB。

サピエンス

  • ビデオボードのみ。
商品名 内容
SuperCube/C4 S3 86C928搭載。ビデオメモリー3MB。

脚注

  1. ^ A-MateシリーズをベースにPOS接続・店舗管理用にカスタマイズされたモデルで、ストアコンピュータという名称で販売された。本体の基本仕様はPC-9821As2・Ap2に準じ、Windows(SC版)をプリインストールして出荷された。
  2. ^ 接続されたプリンタなどのデバイスは1ビットのbusy信号をPC側に返すのみで、インテリジェントな通信機能に対応しない。簡易セントロニクスモードで動作する。
  3. ^ フルセントロニクス動作に対応する。なお、PC-H98では周辺機器側からPC本体にデータを送信することも可能な双方向通信対応に拡張されていた。この機能はWindowsでプリンタとの双方向通信機能が要求されるようになったことなどから、PC-9821As2/Ap2以降の機種でやや機能を削減した上で標準搭載されている。

参考文献

『NECパーソナルコンピュータ PCシリーズ 総合プロダクトガイド 1995-Autumn』、発行 日本電気、発売 新紀元社、1995年 ISBN 4-88317-046-2

関連項目