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正税帳(しょうぜいちょう)は、律令制のもとで国司が毎年太政官に対して提出する帳簿の1つで、令制国における正税の収支決算書。当時の地方政治・財政を把握するためのもっとも基本的な資料であった。

ここでは、関連する正税返却帳(しょうぜいへんきゃくちょう)についても解説する。

概説

正税帳は毎年3通が作成され、1通は国府に留めて国司交替時の引継や次年度の正税帳作成の資料とし、残り2通は毎年2月30日(旧暦の2月末日)までに出挙国分寺造営・維持費など財政収支を裏付ける関連資料(「枝文」)を添えて太政官に提出された。正税帳は民部省主税寮において勘会(監査)を受けて、関連資料との数値の合致や未納・欠損が生じていないことが確認されると、民部省から返抄(請取書・領収書)が送付され、問題がある場合には正税帳は正税返却帳を添えられて送り返された。


正税返却帳

正税返却帳(しょうぜいへんきゃくちょう)とは、正税帳の記載内容に不備があったり、正税に未納や欠損などが生じて不足が存在する場合に主税寮から民部省に対して令制国に返却する旨を上申した文書。