力と女の世の中
『力と女の世の中』(ちからとおんなのよのなか)は松竹が製作した、日本の国産トーキーアニメ映画の第1号である。
あらすじ
サラリーマンの主人は4人の子供の父親である。妻は身長180cm、体重120kgの立派な体格の持ち主。恐妻家の主人は会社のタイピストと浮気をするが、寝言から妻にばれてしまう。妻はその証拠を掴もうと、主人の会社へ向かうが・・・。
製作の背景
1927年、アメリカで世界初のトーキー映画が公開されると、日本でも各映画会社は研究を開始。松竹は1931年、国産初のトーキー映画『マダムと女房』を公開した。この成功を踏まえて、松竹社長城戸四郎は、政岡憲三に国産トーキーアニメの製作を依頼。当時京都で活躍した新進のアニメ製作者であった政岡憲三は約1年をかけて製作し、1932年10月に完成。1933年4月15日に公開された。
当時は声優という職業は無く、俳優や女優が声の出演をしたのだが、この作品は松竹が力をいれていた事もあり、古川緑波、宝塚歌劇団出身の澤蘭子といった、スターが起用され話題となった。
スタッフ
- 原作・脚色:池田忠雄
- 原案・監督:政岡憲三
- 動画:瀬尾光世、原田誠一、山本三郎
- 撮影:木村角山
- 発生監督:野村浩将
- 録音:土橋晴夫
- 音楽指揮:今沢将矩
声の出演
- 主人:古川緑波
- 妻:沢蘭子
- タイピスト:村島洋子
- 子供(太郎):磯野秋雄
- 子供(次郎):三井秀男
- 花子:藤田房子
- とし子:藤田陽子