付款

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付款(ふかん)は、法律行為又は行政行為の効果を制限するための定めで、民事実体法上は期限及び条件を指す。 付款は、以下の種類に分類される。

期限[編集]

 将来確実に起こる事実に対して法律行為又は行政行為の効果の発生・消滅の期限を定める付款。 期限は、始期と終期に分類することができる。始期はさらに、停止期限履行期限に分類される。

  • 停止期限 その到来により効力が発生するもの。
  • 履行期限 権利は発生しているが、その到来までは行使できないもの。
  • 終期 その到来により効力が消滅するもの。

期限は、確定期限不確定期限に分類することもできる。

  • 確定期限 到来する時期が確定している期限。
  • 不確定期限 到来する時期が確定していない期限。

条件[編集]

 法律行為又は行政行為を行う時点では起こるかが不確実な事実についての権力の発生・消滅について定める付款。条件は、停止条件解除条件に分類される。

  • 停止条件 事実の発生により効力が発生する条件。
  • 解除条件 事実の発生により効力が消滅する条件。

負担[編集]

相手方に一定の義務を課す付款。(許可等の利益行為に対して付加される)

負担義務に違反があったとしても、それにより当然無効にはならず、行政庁は、行政上の強制執行するか、行政行為を撤回することができるにとどまる。

取消権・撤回権の留保[編集]

一定の場合に、その法律行為を取消し・撤回する権利。撤回権制限の法理を無視した無制限な撤回権留保は無効であるが、授益的行政行為に撤回権の留保を付す場合にも法律の留保は受けない。

法律効果の一部除外[編集]

この他、主たる意思表示に、効果の一部発生を除外する意思表示を付加することがあり、これを法律効果の一部除外といい、付款に含めることがある。法律効果の一部除外には、法的根拠が必要である。

法律効果の一部除外は、行政効果の付款には含めず、行政行為の内容的制限であるとする見方もある。

限界[編集]

付款を付すことができるのは、法律行為的行政行為に限られ、準法律行為的行政行為にはその性質上、付款を付すことはできない。

法律行為的行政行為の場合でも、無制限に付款を付すことができるわけではなく、付款を付すことができることを法令が明文で認めている場合と、当該行政行為が行政庁の裁量に属する場合にのみ付款を付すことが許容される。ただし、行政庁の広範な裁量権が認められていると解される場合でも、国籍法帰化の許可のように付款を付すことができない場合もある。また、付款を付すことができる場合であっても、行政行為の目的に照らし、必要な限度でのみ認められる[1]

効力[編集]

付款が無効である場合、付款が行政行為と不可分であるときは、行政行為全体が無効となり、付款が行政行為と可分であるときは、付款のみが無効となる。

また、付款が取り消されるべき場合には、取消しがなされるまでは、付款の公定力により一応有効な付款として扱われ、取消し後は付款が無効な場合と同様である。

参照[編集]

  1. ^ 最高裁判所大法廷昭和33年4月9日・民集第12巻5号717頁