「家事調停」の版間の差分

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'''家事調停'''(かじちょうてい)(英: ''family conciliation/family mediation'' 、中: ''家庭调解(簡体)/家事調解(繁体)'' 、独: ''Familienmediation'' 、仏: ''médiation familiale'' 、韓: ''가사 조정'' )とは、家庭又は親族内での紛争について、第三者が手続を主催することによって、当事者間の合意による解決(調停)を目指す手続(調停手続)、あるいはこの手続により成立し、特別の法的効力を与えられる合意そのものをいう。本稿では、司法当局の審理判断の対象となる紛争(本稿では「家事事件」という。)について行われる家事調停を中心に記述する。
'''家事調停'''(かじちょうてい)(英: ''family conciliation/family mediation'' 、中: ''家庭调解(簡体)/家事調解(繁体)'' 、独: ''Familienmediation'' 、仏: ''médiation familiale'' 、韓: ''가사 조정'' )とは、家庭又は親族内での紛争について、第三者が手続を主催することによって、当事者間の合意による解決(調停)を目指す手続(調停手続)、あるいはこの手続により成立る合意そのものをいう。本稿では、司法当局の審理判断の対象となる紛争(本稿では「家事事件」という。)について行われる家事調停を中心に記述する。


==総論==
==総論==


家事事件については、司法当局に申立てをする前に家事調停を経ることを当事者に義務づけ、又は推奨する仕組み(本稿でいう「調停前置主義」)を採る法域が多い。例えば、日本<ref>家事事件手続法257条1項、2項</ref>、ドイツ<ref>家事・非訟事件手続法156条1項</ref>、フランス<ref>民法典373条の2の10。ただし、21世紀の司法法により、2019年までの暫定措置で調停前置が原則義務化されている。</ref>、中華人民共和国<ref>中華人民共和国婚姻法32条</ref>、中華民国<ref>家事事件法23条1項</ref>、韓国<ref>家事訴訟法50条</ref>が、調停前置主義を採る。これに対して、オーストリアは徹底して家事調停から「強制」の要素を排除している。<ref>エナ・マルリス・バヨンス(渡辺惺之・訳)「オーストリーにおける国際家事手続法と調停(離婚と子供の監護の問題を中心に)(2・完)」(立命館法学2010年4号)207頁以下
家事事件については、司法当局に申立てをする前に家事調停を経ることを当事者に義務づけ、又は推奨する仕組み(本稿で「調停前置主義」という。)を採る法域が多い。例えば、日本<ref>家事事件手続法257条1項、2項</ref>、ドイツ<ref>家事・非訟事件手続法156条1項</ref>、フランス<ref>民法典373条の2の10。ただし、21世紀の司法法により、2019年までの暫定措置で調停前置が原則義務化されている。</ref>、中華人民共和国<ref>中華人民共和国婚姻法32条</ref>、中華民国<ref>家事事件法23条1項</ref>、韓国<ref>家事訴訟法50条</ref>が、調停前置主義を採る。これに対して、オーストリアは徹底して家事調停から「強制」の要素を排除している。<ref>エナ・マルリス・バヨンス(渡辺惺之・訳)「オーストリーにおける国際家事手続法と調停(離婚と子供の監護の問題を中心に)(2・完)」(立命館法学2010年4号)207頁以下
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==日本の家事調停==
==日本の家事調停==


日本では、家事事件について、家庭裁判所以外の機関が運営する裁判外紛争処理手続([[ADR]])がほとんど利用されていない<ref>離婚を考える女性の支援をうたうウェブサイト([http://rikonguide.com/kisochishiki/bekkyo/ 例1]、[https://avenue-life.jp/blog/life/husband-divorce/ 例2])でも、「夫婦間で話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所で調停、訴訟をすることになる。」という説明するが多い。</ref>。つまり、日本で「家事調停」といえば、家庭裁判所が運営する調停制度を指すことが多い。本節でも同様である。
日本では、近代的私法制度が確立してから2010年代まで引き続き、家事事件について裁判所以外の機関が運営する裁判外紛争処理手続([[裁判外紛争解決|ADR]]、 ''alternative dispute resolution'' )がほとんど利用されていない<ref>離婚を考える女性の支援をうたうウェブサイト([http://rikonguide.com/kisochishiki/bekkyo/ 例1]、[https://avenue-life.jp/blog/life/husband-divorce/ 例2])、「夫婦間で話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所で調停、訴訟をすることになる。」と説明することが多い。</ref>。つまり、日本で「家事調停」といえば、家庭裁判所が運営する調停制度を指す。本節でも同様である。


日本の家事調停は、当事者が最初から家事調停を申し立てることによって手続が始まることが多く、当事者が人事訴訟や家事審判を申し立てた後に家庭裁判所の決定で手続が始まること(付調停)は少ない<ref>2016年に受け付けられた家事調停のうち、132,416件(約94.12%)が当事者の申立てにより、5,889件(約4.19%)が家事審判又は人事訴訟からの付調停による。前掲司法統計平成28年度</ref>。
日本の家事調停は、当事者が最初から家事調停を申し立てることによって手続が始まることが多く、当事者が人事訴訟や家事審判を申し立てた後に家庭裁判所の決定で手続が始まること(付調停)は少ない<ref>2016年に受け付けられた家事調停のうち、132,416件(約94.12%)が当事者の申立てにより、5,889件(約4.19%)が家事審判又は人事訴訟からの付調停による。前掲司法統計平成28年度</ref>。この点は、韓国の家事調停の約半数<ref>前掲司法年鑑2016年</ref>が、受訴裁判所の調停回付によって手続が始まることと対照的である


家事調停の対象となる紛争の範囲は、「人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件(別表第一に掲げる事項についての事件を除く。)」である(家事事件手続法244条)。日本の家庭裁判所は、申立てが日本の家事調停斡旋一種である<ref>学説の中には、日本でも家事調停を合意支援風運用すべきと主張するものがある。前掲徐・2014年参照</ref>。
家事調停の対象となる紛争の範囲は、「人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件(別表第一に掲げる事項についての事件を除く。)」である(家事事件手続法244条)。家事事件手続法別表第一は、家庭裁判所が、当事者意向に拘束されず、公益を守れるような判断をすべきと考えられる事項を掲げている。そのため、同法は、このような事項は当事者間の話し合いになじまないとみなした。これに対して、家事事件手続法別表第一に掲げる事項についての事件でなく、当事者間の話し合いの場を設けることが有益そうな紛争であれば、家庭裁判所は、とりあえず申立てを受け付けること多い<ref>「親族間紛争の調整」と「その他」が家事調停全体の5%程ありこれら事件類型は、調停が成立せず、調停代わ審判されない事件割合高い(前掲司法統計)。このことは、家庭裁判所が「扱いに困る」事件でも受け付けて、手続を始めていることを示唆する。</ref>。

日本で申立てが多い事件類型は、夫婦関係調整調停(夫婦関係の改善又は離婚を求める調停)(2016年に47,717件、約33。92%)、婚姻費用の分担を求める調停(同21,384件、約15.20%)、養育費を求める調停(同18,723件、約13.31%)、遺産の分割に関する処分などを求める調停(同12,766件、約9.07%)、子との面会交流を求める調停(同12,341件、約8.77%)などである<ref>前掲司法調停</ref>。

日本の裁判実務は、フランス<ref>刑法典227-7条</ref>とは異なり、監護権者が他の監護者に無断で子を連れ出しても、違法性が小さいとみなす傾向がある。また、日本国内では、アメリカ合衆国<ref>アメリカの裁判実務は、監護権者が他の監護権者に無断で州境を超えて恒久的に子を連れ出すことを、監護権者として不適格な事由と考える傾向が強い。差し当たり、以下を参照。
*[https://legalbeagle.com/8586046-consequences-child-out-state-permission.html Consequences for Taking a Child Out of State Without Permission]
*[https://travel.state.gov/content/travel/en/International-Parental-Child-Abduction/prevention/prevention-faqs.html Child Abduction Frequently Asked Questions]
*[https://family-law.freeadvice.com/family-law/child_custody/spouse-left-with-children.htm My Spouse Has Left with the Children: Now What Do I Do?]
</ref>ほどに子の連れ出しに関する制約もない。

日本の調停機関は、子の監護権争いにおいて、以下のような事情を重視する<ref>アメリカの裁判実務とも大差ない。差し当たり、[https://www.verywellfamily.com/factors-that-determine-child-custody-2997640 Factors Used to Determine the Custody of Children]を参照。</ref>。
*監護権者が同居していた時にどちらが主に子を監護していたか。
*資産・収入・住環境・自ら子の監護を行う時間や体力の余裕・虐待の有無・補助者などを考慮してどちらの監護力が優れているか。
*子の意思<ref>日本の家庭裁判所は、10歳以上の子の意思を考慮することが多く、15歳以上の子の意思を重視する。人事訴訟法32条4項を参照。</ref>
*継続性の原則(監護の現状をできるだけ変更しないこと)と単独監護の開始に関する違法性があるか否か(例えば、裁判所の裁判に反して監護を開始していないか。)。
*同胞不分離の原則(兄弟姉妹全員をできるだけ一人の者に監護させる)
*監護権争いの相手方当事者に対する不信行為(不貞など)は、その行為によって子の監護がおろそかにならない限り、重視されない。

日本の家事調停制度は、斡旋の一種である<ref>学説の中には、日本でも家事調停を合意支援風に運用すべきと主張するものがある。前掲徐・2014年参照</ref>。


==脚注==
==脚注==

2018年8月11日 (土) 10:38時点における版

家事調停(かじちょうてい)(英: family conciliation/family mediation 、中: 家庭调解(簡体)/家事調解(繁体) 、独: Familienmediation 、仏: médiation familiale 、韓: 가사 조정 )とは、家庭又は親族内での紛争について、第三者が手続を主催することによって、当事者間の合意による解決(調停)を目指す手続(調停手続)、あるいはこの手続により成立する合意そのものをいう。本稿では、司法当局の審理判断の対象となる紛争(本稿では「家事事件」という。)について行われる家事調停を中心に記述する。

総論

家事事件については、司法当局に申立てをする前に家事調停を経ることを当事者に義務づけ、又は推奨する仕組み(本稿では「調停前置主義」という。)を採る法域が多い。例えば、日本[1]、ドイツ[2]、フランス[3]、中華人民共和国[4]、中華民国[5]、韓国[6]が、調停前置主義を採る。これに対して、オーストリアは徹底して家事調停から「強制」の要素を排除している。[7]

調停には次のような効用がある、と説明されることが多い[8]

  • 当事者双方は、紛争そのものによって既に傷ついているので、協調的な雰囲気の下で受容可能な解決策を調整することで、審理過程での対立によって二重に傷つくことを回避できる。
  • 細かい法解釈や事実認定(法の厳密な解釈適用には必要であっても)にこだわらないで、短期かつ安価に妥当な解決を得ることができる。
  • 成立した調停は、当事者双方が受け容れた解決策であるので、当事者双方が自発的に履行する可能性が高い。なお、当事者が自発的に履行しないときにどのような方法で調停に強制力を持たせるかは、法域ごとに様々なやり方がある。
  • 調停が成立しなくても、当事者双方が、問題の所在と相手当事者の主張を理解し、無用な誤解を解き、対立を緩和することができる。

家事事件は、密接な人間関係の中で発生した感情的な対立が背景にある。また、家事事件に適用される実体法(紛争の解決基準を定める法)は要件や効果があいまいなことが多いので、細かい法解釈や事実認定にこだわって法を厳密に解釈適用するよりも、当事者の真の利害[9]を見極めた柔軟な解決を図ることが重要である。このような家事事件の特徴を考えると、家事事件は調停の効用を発揮しやすい事件類型といえる。調停前置主義は、当事者に家事調停を積極的に利用してもらうための仕掛けである。

調停手続には、手続主催者が積極的に解決案を提示する型( conciliation ;本稿では「斡旋」(あっせん)という。)と、手続主催者が進行指揮に徹する型( mediation ;本稿では「合意支援」という。)とがある[10]

日本[11]、韓国[12]の家事調停は、斡旋の色彩が強い。アメリカ、ドイツ、フランスの家事調停は、合意支援の色彩が強い[13]。オーストラリアで人事訴訟に前置される家族関係センター等での調停は、両者を使い分けている[14]

調停制度として斡旋と合意支援のいずれが優れているかについては、様々な議論がある。日本では、「調停裁判説と調停合意説」という表現で議論を整理することが多い[15]。つまり、「調停裁判説」は「調停の本質は斡旋である、と主張する説」であり、「調停合意説」は「調停の本質は合意支援である、と主張する説」であると整理する。もっとも、斡旋と合意支援との区別は絶対的なものではなく、両者は連続的である[16]。合意支援であっても、手続や合意内容についての制約を加えていくと、実態は斡旋に近づいていく。

未成熟子を巡る紛争(養育権、面会交流、扶養料などの紛争)に関する家事調停については、どの法域でも「子の最善の利益」が重要な考慮要素とされている。これは、児童に関する権利条約18条1項の要請である。それと同時に、調停を「当事者間の相互攻撃」の場から「子の利益の共同構築」の場に変えていければ、調停ならではの創造的かつ実効性ある解決につながりやすいという実情もある。

家事調停の利用が盛んな法域の一つが、日本である。法制度や文化的背景が似た韓国や中華民国と比較すると、2016年に、日本[17](人口約1.271億人)では人事訴訟が10,003件(例年そのうち88%前後が離婚訴訟である。)提起され、家事調停が140,681件受け付けられたのに対し、韓国[18](人口約0.513億人)では家事訴訟が49,465件(そのうち37,400件が裁判上離婚事件である。)提起され、家事調停が5,375件受け付けられた。中華民国[19](人口約0.236億人)では家事訴訟(そのうち3分の2が婚姻事件で、婚姻事件の半分が離婚事件である。)が9,808件提起され、家事調停が24,828件受け付けられた。人口比を考えると、日本及び中華民国には韓国の10倍程度の家事調停があるが、数分の1の離婚訴訟しかない。

日本の家事調停

日本では、近代的私法制度が確立してから2010年代まで引き続き、家事事件について裁判所以外の機関が運営する裁判外紛争処理手続(ADRalternative dispute resolution )がほとんど利用されていない[20]。つまり、日本で「家事調停」といえば、家庭裁判所が運営する調停制度を指す。本節でも同様である。

日本の家事調停は、当事者が最初から家事調停を申し立てることによって手続が始まることが多く、当事者が人事訴訟や家事審判を申し立てた後に家庭裁判所の決定で手続が始まること(付調停)は少ない[21]。この点は、韓国の家事調停の約半数[22]が、受訴裁判所の調停回付によって手続が始まることと対照的である。

家事調停の対象となる紛争の範囲は、「人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件(別表第一に掲げる事項についての事件を除く。)」である(家事事件手続法244条)。家事事件手続法別表第一は、家庭裁判所が、当事者の意向に拘束されず、公益を守れるような判断をすべきと考えられる事項を掲げている。そのため、同法は、このような事項は当事者間の話し合いになじまないとみなした。これに対して、家事事件手続法別表第一に掲げる事項についての事件でなく、当事者間の話し合いの場を設けることが有益そうな紛争であれば、家庭裁判所は、とりあえず申立てを受け付けることが多い[23]

日本で申立てが多い事件類型は、夫婦関係調整調停(夫婦関係の改善又は離婚を求める調停)(2016年に47,717件、約33。92%)、婚姻費用の分担を求める調停(同21,384件、約15.20%)、養育費を求める調停(同18,723件、約13.31%)、遺産の分割に関する処分などを求める調停(同12,766件、約9.07%)、子との面会交流を求める調停(同12,341件、約8.77%)などである[24]

日本の裁判実務は、フランス[25]とは異なり、監護権者が他の監護者に無断で子を連れ出しても、違法性が小さいとみなす傾向がある。また、日本国内では、アメリカ合衆国[26]ほどに子の連れ出しに関する制約もない。

日本の調停機関は、子の監護権争いにおいて、以下のような事情を重視する[27]

  • 監護権者が同居していた時にどちらが主に子を監護していたか。
  • 資産・収入・住環境・自ら子の監護を行う時間や体力の余裕・虐待の有無・補助者などを考慮してどちらの監護力が優れているか。
  • 子の意思[28]
  • 継続性の原則(監護の現状をできるだけ変更しないこと)と単独監護の開始に関する違法性があるか否か(例えば、裁判所の裁判に反して監護を開始していないか。)。
  • 同胞不分離の原則(兄弟姉妹全員をできるだけ一人の者に監護させる)
  • 監護権争いの相手方当事者に対する不信行為(不貞など)は、その行為によって子の監護がおろそかにならない限り、重視されない。

日本の家事調停制度は、斡旋の一種である[29]

脚注

  1. ^ 家事事件手続法257条1項、2項
  2. ^ 家事・非訟事件手続法156条1項
  3. ^ 民法典373条の2の10。ただし、21世紀の司法法により、2019年までの暫定措置で調停前置が原則義務化されている。
  4. ^ 中華人民共和国婚姻法32条
  5. ^ 家事事件法23条1項
  6. ^ 家事訴訟法50条
  7. ^ エナ・マルリス・バヨンス(渡辺惺之・訳)「オーストリーにおける国際家事手続法と調停(離婚と子供の監護の問題を中心に)(2・完)」(立命館法学2010年4号)207頁以下
  8. ^ 以下は中華民国司法部の説明の趣旨であるが、どの法域でも似たり寄ったりの説明がされている。
  9. ^ ロジャー・フィッシャー、ウィリアム・ユーリー(金山宣夫他ほか・訳)『ハーバード流交渉術』(三笠書房、1989年)を参照。
  10. ^ 斡旋と合意支援との違いについては、差し当たり、Difference Between Mediation and Conciliationを参照。
  11. ^ 調停機関は、当事者が解決案に合意しても調停不成立としたり、自ら積極的に解決案を示す権限を有する(後述)。
  12. ^ 家事訴訟法58条は、調停委員会に積極的に解決策を提案するよう命じている。また、同法49条、民事調停法30条、32条は、当事者間に調停が成立しないか、当事者の一方が出頭しないときに、調停担当判事は調停に代わる決定(日本の調停に代わる審判に似ている。)をしなければならないとしている。
  13. ^ 「民事及び商事事件におけるメディエーションの特定の側面に関 する2008年5月21日の欧州議会及び理事会の2008/52/EG指令」(法務省大臣官房司法法制部・法務資料464号に和訳収録)は、合意支援を裁判外紛争処理の主役に据えた。
  14. ^ 差し当たり、A Comparative Analysis of the Practice of Mediation and Conciliation in Family Dispute Resolution in Australia: How Practitioners Practice across both Processesを参照。
  15. ^ 徐文海「民事紛争解決手続と調停-中国法への提言-」(立命館法学2014年3号)264頁以下
  16. ^ 前掲 A Comparative Analysis of the Practice... を参照。
  17. ^ 司法統計平成28年度
  18. ^ 司法年鑑2016年度
  19. ^ 司法統計年報民国106年度所収の同105年に関する数値
  20. ^ 離婚を考える女性の支援をうたうウェブサイト(例1例2)は、「夫婦間で話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所で調停、訴訟をすることになる。」と説明することが多い。
  21. ^ 2016年に受け付けられた家事調停のうち、132,416件(約94.12%)が当事者の申立てにより、5,889件(約4.19%)が家事審判又は人事訴訟からの付調停による。前掲司法統計平成28年度
  22. ^ 前掲司法年鑑2016年
  23. ^ 「親族間の紛争の調整」と「その他」が家事調停全体の5%程度あり、これらの事件類型は、調停が成立せず、調停に代わる審判もされない事件の割合が高い(前掲司法統計)。このことは、家庭裁判所が「扱いに困る」事件でも受け付けて、手続を始めていることを示唆する。
  24. ^ 前掲司法調停
  25. ^ 刑法典227-7条
  26. ^ アメリカの裁判実務は、監護権者が他の監護権者に無断で州境を超えて恒久的に子を連れ出すことを、監護権者として不適格な事由と考える傾向が強い。差し当たり、以下を参照。
  27. ^ アメリカの裁判実務とも大差ない。差し当たり、Factors Used to Determine the Custody of Childrenを参照。
  28. ^ 日本の家庭裁判所は、10歳以上の子の意思を考慮することが多く、15歳以上の子の意思を重視する。人事訴訟法32条4項を参照。
  29. ^ 学説の中には、日本でも家事調停を合意支援風に運用すべきと主張するものがある。前掲徐・2014年参照