黄犬契約
黄犬契約(おうけんけいやく、こうけんけいやく)とは、雇用者が労働者を雇用する際に、労働者が労働組合に加入しないこと、あるいは、労働組合から脱退することを雇用条件とすることをいう。
概要
労働基本権を雇用者が制限するものであり、不当労働行為として禁止されている。日本では労働組合法第7条で禁止が明文化されている[1]。
この語は英語の'yellow-dog contract'に由来する。'yellow dog'には「卑劣なやつ」という意味があり、労働者の団結を破り、使用者の圧力に屈する形で雇用契約を結ぶ行為を非難するニュアンスが込められている。戦前の日系移民の勤務態度を暗喩しているとも言われる。黄犬契約はアメリカでは1932年に最高裁判所で無効という判例が出された。
なお、自衛隊員、警察職員、消防職員、海上保安庁職員、刑事施設職員が労働組合を結成や加入を禁止することを条件に雇用条件とすることは自衛隊法第64条第1項、国家公務員法第108条の2第5項、地方公務員法第52条により合法である。
脚注
- ^ 労働組合法(抜粋)
- 第七条 使用者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
- 一 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。(以下略)