鍾天緯

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鍾 天緯(しょう てんい、Zhong Tianwei1840年 - 1900年)、字は鶴笙末の翻訳家。

上海金山亭林鎮出身。1872年、上海の広方言館に入学して語学を学び、後に山東機械局翻訳館に勤務する。1880年、ヨーロッパを歴訪し、各国の政治・経済・文化を視察した。帰国後、江南製造局翻訳館に入り数十種類の書物を翻訳した。特に科学技術方面では、イギリス人ジョン・フライヤー(傅蘭雅)らとともに英語の科学技術書を訳し、『鋳銭説略』『考工紀要』『西国近事類編』『工程致富』『英美水師表』などを残している。著書に『刖足集』、編書に『格致説』『格致之学中西異同論』『中西学術源流論』などがあり、これは中国と西洋の文化比較研究の先駆となるものであった。