身の毛立

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身の毛立(みのけだち)、身の毛たち身の毛よだつ[1]は、日本妖怪絵巻に描かれている妖怪

概要[編集]

短い毛の多数生えた身体で、口を突き出した横向きの上半身の姿で描かれている。国際日本文化研究センター所蔵の『化物尽絵巻』[2]国立歴史民俗博物館所蔵の『化物絵巻』[1]、『百物語化絵絵巻』(1780年[3]にも描かれている。解説文などは一切なく、どのようなことをする妖怪であるのかは絵巻物にも示されていないため詳細は不明である。

江戸時代の随筆『嬉遊笑覧』に引かれている古法眼元信が描いた「化物絵」に描かれていたとされる妖怪の中には「身の毛たち」という名称が確認できる[4]

熊本県八代市の松井文庫に所蔵されている妖怪絵巻百鬼夜行絵巻』では同じ形状の妖怪がじゅうじゅう坊(じゅうじゅうぼう)という名前で描かれている[5][6]

脚注[編集]

  1. ^ a b 『妖怪大集合!!』南丹市立文化博物館、2008年、17頁
  2. ^ 兵庫県立歴史博物館京都国際マンガミュージアム 編『図説 妖怪画の系譜』河出書房新社〈ふくろうの本〉、2009年、50頁。ISBN 978-4-309-76125-1 
  3. ^ 湯本豪一『かわいい妖怪画』 東京美術 2015年 22頁 ISBN 978-4-8087-1005-7
  4. ^ 京極夏彦多田克己編著『妖怪図巻』国書刊行会、2000年、132-133頁。ISBN 978-4-336-04187-6 
  5. ^ たばこと塩の博物館 編『武家の精華 八代・松井家の美術工芸』2002年 105-110頁 ISBN 4-924989-19-3
  6. ^ 京極夏彦多田克己編著『妖怪図巻』国書刊行会、2000年、112-113頁。ISBN 978-4-336-04187-6 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • 国際日本文化研究センター「絵巻物データベース」『化物尽絵巻