覇権主義
覇権主義(はけんしゅぎ)とは、特定の国家あるいは政府(政治体制)が覇権の獲得を目論んで行動すること。否定的な文脈で用いられることが多い(後述)。
古い時代の使用例も見られる[1]が、通例は冷戦期以降の超大国によるものを批判的に指摘することで一般化した[2]。
概要
1972年の米中共同声明(上海コミュニケ)において、『中国は決してスーパーパワーにならず、あらゆる種類のパワーポリティクスとヘゲモニーに反対する』との文言があった[3]。
この中文は『中国决不做超级大国,并且反对任何霸权主义和强权政治。』[4]で、ヘゲモニーを覇権主義とした。
これ以後、中国の外交は『米ソ両超大国の覇権主義に反対』することを主軸の一つとするようになった[2]。
現行の中華人民共和国憲法(82年憲法)においても、前文で外交方針の基本として『独立自主の対外政策を堅持し(略)帝国主義、覇権主義及び植民地主義に反対することを堅持し』との文言を掲げている[5]。
覇権主義とされる行動の例
張香山は1975年4月に次のようなソ連の行動を覇権主義とした[2]。
- 外国に派兵し、侵略し、奴隷化している
- 世界に広く軍事基地をおき、他国の主権を侵害している
- 軍隊を派遣し、他国を侵略し、民族自決の闘いを弾圧している
- 海軍艦隊を拡張し、全世界の海をわがもの顔にしている
- 兵器を大量に販売し、世界最大の軍事商人である
- 核兵器を大量に開発し、核独占をはかり、他国を恐喝する道具としている
- 軍事予算を拡大し、軍備を拡張している
- 他国の内政に干渉し、他国政府の転覆をはかっている
- 周囲の領土を不法に占領し、返還しない(日本の北方領土、中国の珍宝島)
- 従属国から搾取し、経済協力の名を借りて“第3世界”からも搾取している
- 他国の共産党に自分の政策に従うよう、強要
- 帝国主義政策を推進するため、一連の理論をデッチあげている
関連項目
脚注
- ^ 『世界美術鑑賞: 解説篇』成武堂、1936年9月、212頁 。2021年1月29日閲覧。"秀吉の覇権主義は豪宕雅大な桃山美術を生み"。
- ^ a b c “月刊基礎知識 from 現代用語の基礎知識”. 国連がとめられなかったアメリカの覇権. 自由国民社 (2003年3月). 2021年1月29日閲覧。
- ^ “Joint Communique Between the People's Republic of China and the United States” (英語). "The World and Japan" Database (Project Leader: TANAKA Akihiko) (1972年2月28日). 2021年1月29日閲覧。 “China will never be a superpower and it opposes hegemony and power politics of any kind.”
- ^ “中华人民共和国和美利坚合众国联合公报” (cn). 「世界和日本」数据库(代表 田中明彦) (1972年2月28日). 2021年1月29日閲覧。
- ^ s:中華人民共和国憲法#前文