西園寺実衡

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西園寺実衡
時代 鎌倉時代後期
生誕 正応元年(1288年
死没 嘉暦元年11月18日1326年12月13日))
別名 今出河、西園寺内大臣
官位 内大臣正二位
主君 後深草院伏見天皇後伏見天皇後二条天皇花園天皇後醍醐天皇
氏族 藤原北家閑院流西園寺家
父母 父:西園寺公衡、母:中御門経任の娘中御門経子
兄弟 西園寺実衡大宮季衡広義門院後伏見天皇女御光厳天皇光明天皇母)
二条為世女(昭訓門院春日)
公宗公重経喬?(内ヶ島氏祖?)
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西園寺 実衡(さいおんじ さねひら)は、鎌倉時代後期の公卿内大臣正二位西園寺内大臣、又は今出河と号す。左大臣西園寺公衡の子、母は中御門経任の娘の中御門経子

経歴

以下、『公卿補任』と『尊卑分脈』の内容に従って記述する。

正応2年(1289年)1月6日、叙爵[1]。正応5年(1292年)8月14日、従五位上に昇叙。永仁2年(1294年)1月6日、正五位下に昇叙[2]。永仁3年(1295年)3月4日、侍従に任ぜられる。永仁4年(1296年)1月5日、従四位下に昇叙[3]。永仁5年(1297年)3月20日、右中将に任ぜられる。同年閏10月10月3日、従四位上に昇叙[4]。永仁6年(1298年)7月20日、新帝後伏見天皇に昇殿を許される。同年9月25日、左中将に転任。同年10月10日、正四位下に昇叙[5]。正安3年(1301年)1月21日、殿上に昇殿。同年8月24日、春宮のもとに昇殿を許される。嘉元2年(1304年)1月7日、従三位に叙される[6]。左中将は元の如し。徳治元年(1306年)3月30日、美濃権守を兼ねる。延慶2年(1309年)2月19日、権中納言に任ぜられる。同年3月6日、帯剣を許される。6月12日、正三位に昇叙。9月1日、左衛門督を兼ね、検非違使別当に補される。11月23日、従二位に昇叙。同月30日には検非違使別当を止める。延慶3年(1310年)9月4日、左衛門督を止める。応長元年(1311年)6月9日、正二位に昇叙。正和4年(1315年)3月13日、中納言に転正。9月25日、父公衡の喪に服す。11月25日、復任。正和5年(1316年)9月12日、権大納言に任ぜられる。元応元年(1319年)8月7日、中宮大夫を兼ねる。元亨2年(1322年)8月11日、大納言に転正。同年9月10日、祖父実兼の喪に服す。元亨3年(1323年)1月13日、右近衛大将を兼ねる。正中元年(1324年)4月27日、内大臣に任ぜられる。正中3年(1326年)10月、上表して内大臣を辞し、11月18日に薨去。

関東申次

西園寺家当主の世襲となっていた関東申次の職は、正和4年(1315年)の父公衡の没後に祖父実兼が復任した。しかし実兼が元亨2年(1322年)に没する及び、これに代わって就任した。

実衡邸での神楽

花園天皇宸記』によると、元亨3年(1323年)12月21日に後伏見院花園院が実衡邸に行幸して神楽が行われた[7]。この時すでに父公衡と祖父実兼は薨去しており、実衡は西園寺家当主の立場にあったのである。しかし、『圖書寮叢刊 伏見宮楽書集成一』や『文机談』に実衡の名は見えず、琵琶秘曲伝授は叔父の公顕兼季が祖父実兼の跡を継いで担っていくのである。

『徒然草』での実衡

実衡は『徒然草』第152段に登場するが、この段は何とも皮肉めいた内容である。年老いた上人の様子をありがたがる実衡の態度はいかにも人を外見から判断していて、ただ単に年をとっているだけだと日野資朝は言うのである。しかも後日、資朝は年老いた犬を連れて実衡邸を訪れ、ありがたい犬ですよと述べる。

系譜

脚注

  1. ^ 中宮御給による。
  2. ^ 東二条院御給による。
  3. ^ 中宮御給による。
  4. ^ 前太政大臣実兼の北山第に行幸があった際の賞の譲りによる。
  5. ^ 伏見院御給。新帝後伏見天皇即位時の叙位による。
  6. ^ 一院御給による。
  7. ^ 『花園天皇宸記』、元亨3年12月21日の条。

参考文献

  • 近藤敏喬 編『宮廷公家系図集覧』、東京堂出版、1994年
  • 橋本政宣 編『公家事典』、吉川弘文館、2010年
  • 公卿補任』(新訂増補国史大系)吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編集会(編) ※ 嘉元2年(1304年)に実衡が非参議従三位となった時以降の記事。
  • 尊卑分脈』(新訂増補国史大系)吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編集会(編) ※「西園寺実衡」および「西園寺実兼」、「西園寺公衡」の項。
  • 『花園天皇宸記』 続群書類従完成会
  • 『圖書寮叢刊 伏見宮楽書集成一』、宮内庁書陵部編、明治書院
  • 岩佐美代子著、校注『文机談』、笠間書院
  • 新訂『徒然草』 西尾実・安良岡康作校注、岩波文庫


関連項目