花時計
花時計(はなどけい)とは、花壇と時計が一体となった時計のこと。モニュメントとして設置されることが多い。
歴史
花時計の起源に関する詳細は不明だが、近代のヨーロッパで庭園の装飾のために作られたのが始まりと見られている。日本では1957年に神戸市役所の新庁舎落成を記念して庁舎の北側に設置されたものが最古の花時計で、日本各地に80以上設置されている。
構造
花時計は多くの場合、文字盤部分と時計機械室からなる。文字盤は見やすさや灌水の便を考えて、10度から20度の角度が付けられる場合が多い。多くの場合、時計の分針と秒針は別個に制御されている。花壇は文字盤の部分に設置される場合と文字盤の周囲に設置される場合とがある。花は生花を用いる場合と造花を用いる場合とがある。生花の花壇を用い、かつ機械室を花壇の下に設置する場合、機械室に防湿・防水機能を持たせる必要がある。時刻調整は専用の時計(親時計)を使って行われるが、親時計は機械室内や花時計の近辺に設置される。
花時計の花は人に摘まれたり、鳥獣による食害に遭うことがある。人による悪戯に対しては防犯装置を設置する、食害に対しては被害に遭いにくい花を多く植えるといった対策が講じられている。
花そのものを利用した花時計
なお、花の1日における活動の周期(開花・閉花の時間)を利用した花時計がかつて存在した。カール・フォン・リンネが考案した、リンネの花時計である。このような花時計の精度は日時計と比べて大きく劣り、かつ季節ごとに開花時間の異なる花を入手することが困難であったことから時計としては普及せず、主に庭園装飾として作られた。
ギャラリー
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倉敷駅前の花時計
参考文献
- 神戸市公園緑化協会 編『花時計』神戸市公園緑化協会、1985年。