本草綱目

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《本草綱目》 金陵版
金陵とは南京の古称で、最初の出版地であることから初版を金陵版と呼ぶ。

本草綱目』(ほんぞうこうもく)は、中国本草学史上において、分量がもっとも多く、内容がもっとも充実した薬学著作である。

作者は明王朝李時珍1518年 - 1593年)で、1578年万暦6年)に完成、1596年(万暦23年)に南京で上梓された。日本でも最初の出版の数年以内には初版が輸入され、本草学の基本書として大きな影響を及ぼした。中国では何度も版を重ねたが、日本でもそれらが輸入されるとともに和刻本も長期に亙って数多く出版され、それら和刻本は3系統14種類に及ぶ[1]

慶長12年(1607年)、林羅山が長崎で本草綱目を入手し、駿府に滞在していた徳川家康に献上している。これを基に家康が本格的に本草研究を進める契機となる[2]

2011年5月22日から25日にかけて開催されたユネスコの会議にて、世界記録遺産に登録された[3]

解題

本書を編纂するために作者李時珍は、約27年間の歳月をかけ、三回も書き直し、800種以上の文献を参考した。また度重なる現地調査や標本採集なども並ならぬ心血を費やした。

構成

全52巻、収録薬種は1892種(374種は新収)、図版1109枚、処方11096種(うち8000余は李時珍自身が収集、確定したもの)にのぼる。薬物ごとに釈名(名称の考証)・集解(産地の注解)・正誤(それまでの文献における間違いを訂正)・修冶(製造方法)・気味主治発明処方(民間に流布される処方を収集)などの項目が立てられている。なお、第52巻には人体の薬物利用について、35の部位が収載されている。詳しくはヒトに由来する生薬を参照のこと。

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脚注

  1. ^ 「本草綱目の渡来とその普及」(下記のリンク参照)
  2. ^ 宮本義己「徳川家康と本草学」(笠谷和比古編『徳川家康―その政治と文化・芸能―』宮帯出版社、2016年)
  3. ^ ユネスコの「世界の記憶」に『本草綱目』などが新たに登録される”. current.ndl.go.jp. 国立国会図書館 関西館. 2022年8月22日閲覧。

関連項目

  • 本草綱目 (歌曲)中国語版』 - 台湾のミュージシャン周杰倫が2006年にリリース。元から話題性のある作品だったが、2022年にダンサーの劉畊宏がエクササイズ動画のBGMに使用したことから大ヒットした。本薬学書を名前の由来とし、歌詞にも伝統的な漢方薬の名前が上げられる。

外部リンク