本影

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本影(umbra)、半影(penumbra)、対影(antumbra)
天文学以外での本影、半影、対影の例

本影半影対影とは、異なった3タイプのの名称であり、光源の種類を問わず投影される。ただし点光源の場合は、本影だけが投影される。

これらの用語は通常、天体によって投影される影を指して使われる。

本影

本影(ほんえい、: umbra)とは影の最も暗い部分を指す(umbraラテン語で「影」を意味する)。本影の内側では、光源は完全に遮断された状態になる。天文学では、本影の内側にいる観察者は、皆既食の影の中にいることになる。 言い換えると、本影とは不透明な物体が作る完全な陰であり、そこでは光源からの直接の光が完全に遮断される。

半影

半影(はんえい、: penumbra)とは、遮蔽物によって光源の一部だけが隠されて見える領域である。(penumbraはラテン語で「殆ど」を意味するpaenesと、umbraの合成である)。半影の内側にいる観察者は、部分食の陰の中にいることになる。

言い換えると、半影とは光源の一部もしくは全体が隠されて見える領域である(すなわち本影とは半影の一形態である)。例えば、NASAのNavigation and Ancillary Information Facilityの定義によると、本影の中にある天体は同時に半影の中にもいることになる[1]

対影

対影(たいえい、: antumbra)とは、遮蔽物が、光源の円の内側に完全に含まれて見える領域である。対影の内側にいる観察者が光源へ近づいていったならば、遮蔽物の見かけ上のサイズは大きくなり、やがて観察者は完全に本影の内に入る。対影の内にいる観察者は、金環食を見ることになる。

月(黄色い丸)の軌道を超えて伸びる、地球(青い丸)の円錐形の本影。天体の大きさや距離の縮尺を保って表現してある。

脚注

  1. ^ Event Finding Subsystem Preview - Navigation and Ancillary Information Facility.