散兵

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アメリカ独立戦争時代のライフル兵

散兵(さんぺい, Skirmishers)は、歩兵の戦闘隊形の一種。

概要

歩兵が横隊縦隊などの密集隊形を組んで戦った時代には、密集隊形の前面と側面に、部隊の一部を間隔を置いて散開させ散兵線を敷くことが多かった。その役割は、密集隊形同士が衝突する前に、遠隔攻撃を加えて敵に損害を与え、隊形を崩しておくことであった。また、同様の戦術を取る敵の攻撃から自軍を守る役割も果たした。

散兵は、戦場で素早く動けるよう軽装備であることが多かった。古代や中世の戦場では、散兵は弓矢投槍投石器などを攻撃用の武器とし、軽量のを装備していた。散兵は密集隊形の前面に出て、矢や投槍を敵に浴びせかけ、攻撃が終わると密集隊形の後ろに退避した。他にも、機動性の高さを生かして、偵察や敵の側面の包囲といった役割も担った。

火器が発明されると、散兵の兵器はいち早く火器となった。テルシオでは、パイク(槍)を装備した密集隊形を中心とし、その周囲をアルクビューズ(火縄銃)を装備した散兵が援護した。やがて火器が発達すると散兵はライフルを装備した。

19世紀になると、火砲の威力の増大により、歩兵が密集隊形を組んで戦うことはなくなった。言い換えれば散兵と重歩兵との区別もなくなった。全ての歩兵が散兵になったと見ることもできる。

関連項目

外部リンク