探索コスト
探索コスト(たんさくこすと)は取引コストやスイッチング・コストの一種である。完全合理的な消費者であれば、限界費用が限界便益を上回るまで、より良い商品やサービスを求めて探索を続けるだろう。
探索コストは、外部コストと内部コストに分類される(Smith et al, 1999)。
外部コストは情報を得たりする金銭的コストや探索の機会費用を含む。外部コストは消費者にはどうすることもできない。消費者ができることはコストを払うかどうかを選択するだけだ。
内部コストは、探索を行ったり、入ってくる情報を整理したり、消費者が知っている情報をまとめたりする精神的な労力のことだ。内部コストは消費者の探索能力によって決定し、知識や教育や訓練に先立ち知能によって決定する。
これらの内部コストは、限定合理性の研究を背景に持つ。
インターネットは探索コストを削減してくれると予想されている(Pereira, 2005)。その例の一つが電子商取引だ。インターネットによって探索コストが十分に低くなり、消費者が小売店を利用する代わりに直接自分で取引するにつれて、仲介業者を排除して直接生産者と消費者が取引する状況を生み出すと予想されていた。
この結果として低価格が実現し、店ごとの値段のバラつきは少なくなるだろうとされる。
レファレンス
- Gerald E. Smith, Meera P. Venkatraman , Ruby Roy Dholakia, Diagnosing the search cost effect: Waiting time and the moderating impact of prior category knowledge, Journal of Economic Psychology 20 (1999) 285 – 314
- Pedro Pereira, Do lower search costs reduce prices and price dispersion? Information Economics and Policy 17 (2005) 61–72