持久力
日常的に使われる持久力(じきゅうりょく)という語は人や事柄の粘り強さを意味するが、スポーツ科学は持久力を疲労に抵抗する有機体の能力と考える。具体的にいえば、できる限り長時間一定の負荷(例えば疾走速度)を維持できる能力だとするのである。以下では、スポーツ活動に関わる持久力概念について述べる。
運動能力の一つとしての持久力
持久力は、筋力(パワー)、瞬発力(スピード)、調整力(コーディネーション)、柔軟性(可動性)と並ぶ独立した一つの基本的な運動能力とされている。もちろん、スポーツ種目ごとにこれら基本的な能力の重要性の度合いは違ってくる。長距離走者ならばその人の持久的な能力が何より重要だが、バレエダンサーならばその人のコーディネーションあるいは柔軟性が重要となることである
持久力の種類
持久力をトレーニングするとなると、持久力を便宜的に分類することが必要になる。その区別は、例えば以下のような基準にしたがって行われる。
- 持久的な負荷が作用する筋群がどのくらいあるか
- 全身持久力・・・より全身に負荷が作用している場合(ランニング、バイアスロン、水泳など)。
- 局所持久力・・・身体の特定の部分に対してより負荷が作用している場合(ボクシングでガードを維持する腕の運動など)。
- どのようにしてエネルギー供給がなされているか。
- 有酸素的なエネルギー供給・・・基本的にゆっくりとしている運動を持続させる場合(大まかに言うと長距離走のような運動)。
- 無酸素的なエネルギー供給・・・激しい動きを持続させる場合(ボクシングでジャブやストレートなどのパンチを連打する運動など)。
- どのような状態で筋に負荷が作用するか
- 動的な状態で作用する・・・筋の働きが動作となって現れる(例:スピードスケート)
- 静的な状態で作用する・・・筋の働きが姿勢維持となって現れる(例:アーチェリー)
上記のような分け方とは別に、以下のようなものもある。
- 持久力を競う競技を時間という次元で区別する
- 短時間持久力
- 中時間持久力
- 長時間持久力
- 持久的パフォーマンスを能力の違いで区別する
- スピード持久力
- 筋持久力
有酸素的な持久力
無酸素的な持久力
トレーニング方法
持久力に対応した栄養摂取
持久力を発揮するための栄養摂取法としては、 カーボ・ローディング(Carbohydrate Loading)がある。カーボ・ローディングは、運動エネルギーとして効率よく利用されるグリコーゲンを体内に最大限に貯蔵することで、栄養面から高い持久力を得ることを目的に行われる。
詳細は「カーボ・ローディング」を参照
大会(試合)日を基準とした時期 | 運動量 | 食事 | 備考 |
---|---|---|---|
約1週間前~4日前 | 減らす | 通常(混合食) | 体内グリコーゲンを維持 |
3日前 | 減らす | 高炭水化物 | 体内グリコーゲンを蓄積 |
2日前~前日 | 減らす・休む | 高炭水化物 | 体内グリコーゲンを蓄積 |