小石清

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。柴崎力栄 (会話 | 投稿記録) による 2010年3月5日 (金) 12:12個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (+ Category:日中戦争の人物)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

小石 清(こいし きよし、1908年3月26日 - 1957年7月7日)は、日本の戦前を代表する写真家

1908年(明治41年)3月26日、大阪生まれ。昭和に入り、浪華写真倶楽部に入会。1931年には、大阪にスタジオを開設し、写真家として独立。この間、浪展国際広告写真展日本写真美術展などで、次々と入選。

1932年、「初夏神経」を、浪展に出品、翌年、ジンク板の表紙により出版。

1938年、政府による写真情報誌「写真週報」の写真を担当。日中戦争に従軍写真家として赴いた際に撮影された写真をまとめた連作「半世界」(1940年)でも前衛手法を用いて斬新な表現を試みている。

戦後も活動を続けたが、1957年、駅構内での転倒で頭を打ったことが原因で、同年7月7日に死去。

小石はあらゆる写真的技術を軽々と使いこなし、芸術写真新興写真前衛写真報道写真と、ジャンルを問わず作品を残している。なかでも、1933年に刊行された写真集『初夏神経』は、その装幀、各作品、そして各作品に使われた二重露光、フォトグラムなどのテクニックから考えて、日本の戦前の写真集の1つの到達点といってよい。

日本における主要展覧会

  • 小石清と浪華写真倶楽部展/兵庫県立近代美術館・西武百貨店コンテンポラリーアートギャラリー/1988年
  • 大規模な回顧展は、未だ開催されていない。

日本語による主要参考文献

  • 初夏神経/1933年/国書刊行会から復刻(2005年)
  • 「小石清と浪華写真倶楽部」展カタログ/兵庫県立近代美術館・西武百貨店コンテンポラリーアートギャラリー/1988年
  • 小石清と前衛写真(日本の写真家・第15巻)/岩波書店/1999年

関連項目

外部リンク