安倍宗明

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安倍 宗明(あべ の むねあき、生没年不詳)は、平安時代後期の貴族陰陽師安倍晴明の曾孫。権天文博士安倍親宗の子。官位従五位下・権天文博士。

経歴

権天文博士に任ぜられ、たびたび天文密奏を行っている。例えば、康和5年(1103年2月16日[1]永久元年(1113年7月16日[2]に発生した月食の際に天文密奏を行ったことが藤原忠実の日記『殿暦』に記されている[3]。その他の天変や地震などの際にも宗明が天文密奏を行ったことが『殿暦』や『中右記』などから知ることができ、陽明文庫所蔵の『諸道勘文』には天仁3年(1110年5月11日[4]に宗明が提出した天文道勘文が記されている。

天文博士の官職は息子の広賢に継承されて、その一族は天文道の家柄となり「宗明流」と称された。

系譜[5]

脚注

  1. ^ ユリウス暦では1103年3月25日
  2. ^ ユリウス暦では1113年8月28日
  3. ^ いずれも発生翌日の条に記載されている。
  4. ^ ユリウス暦では1110年5月31日
  5. ^ 「安倍氏系図」『続群書類従』巻第170所収

参考文献

  • 赤澤春彦「鎌倉期における安倍氏の展開」(所収:『鎌倉期官人陰陽師の研究』(吉川弘文館、2011年) ISBN 978-4-642-02893-6 (原論文2008年)
  • 関口力「安倍宗明」(『平安時代史事典』(角川書店、1994年) ISBN 978-4-04-031700-7
  • 槇野廣造 編『平安人名辞典―康平三年〈上〉』(和泉書房、2007年) ISBN 978-4-7576-0396-7